21, Dec 2009

現在、日米欧五カ国の芸術大学の学生による、俳句をテーマにした展覧会"Hi,Q!"(ハイ、クー!)が世界各国を巡回中です。
この"Hi,Q!"は、フランス国立高等装飾美術学校(仏)、ボローニャ・アカデミー(伊)、ハンブルグ応用科学大学(独)、パーソンズ・ザ・ニュー・スクール・フォー・デザイン(米)そして京都市立芸術大学の共同企画展です。
2008年の11月に5つの大学の教員がパリに集まり、展覧会のテーマについて話し合い、発案されたのが今回の"Hi,Q!"というテーマです。各時代を代表する6人の俳人が詠んだ俳句ひとつを選んで絵に表現するという内容です。
実は日本の俳句をテーマにしようと言い出したのは私ではありません。パリでのミーティングで、「俳句の世界は素晴らしい!」「俳句は各国語での訳本も多いので、共通のテーマにはもってこいではないか。」と4カ国の先生達がそれぞれ言いあって、あれよあれよという間に、テーマは俳句に決まりました。私は自国の文化である俳句が、ここまで世界に知られ、そして高く評価されていることに大変驚きました。
自由律詩の俳句もありますが、言うまでもなく、五七五の定型を基本とする俳句は、翻訳されるとその定型が崩れること、また、俳句は日本の季節感が重要な要素であることから、翻訳された俳句を、季節感も異なると思われる他国の学生が読んで、その本質を理解できるのだろうか、という疑問を持ちながらも、他国の先生達の熱意に押されるかたちで、私は、このテーマに賛同しました。
そしてボローニャの最初の展覧会で各国の学生達が作り上げた作品を初めて見て、ある国の言葉で創られた世界を絵にするという行為が、言葉を超えた共感につながったことに、大変感慨深いものがありました。
"Hi,Q!"とは「Hi」という呼びかけ、「クー」は「cool」にひっかけたネーミングです。現在、世界各国で "Japanese cool"として日本のマンガやアニメが流行っていますが、俳句という日本の文化の別の側面に各国の若い学生達が触れ、日本の文化に、そして国の相違を超えた人間の文化について、何らかの発見があったとすれば、本当に喜ばしいことです。
ボローニャ、京都と巡回したこの展覧会は、あと3カ国を巡回する予定になっています。
Japanese coolとしての俳句
Category: Column