
図1 「Digital Archives画像展示システム」表示例 黒書院四の間西 夜間
09, Apr 2010

図1 「Digital Archives画像展示システム」表示例 黒書院四の間西 夜間
私が開発に関わった「二条城障壁画デジタルアーカイブ展示システム」は、平成18年5月20日の「築城400年記念 展示・収蔵館」エントランスにおける公開実験以来、平成22年2月11日までに約4年間展示させていただいたこととなる。ここまで展示を続けて来られたことはとてもうれしく思う。まさしく、地味な仕事は、継続することに意義があるというべきではないだろうか。
2004年(平成16年)4月に、京都デジタルアーカイブ研究センター(2000年8月設立~2004年3月)の解散に伴い、財団法人京都高度技術研究所(ASTEM)が京都市からデジタルアーカイブ事業の継承を受託することになったことが、私と二条城障壁画デジタルアーカイブとの出会いだった。たまたま、私が大学院で医用画像処理を専攻としていたことから、この仕事の担当者の一人になったと思われる。私の任務は「デジタルアーカイブの利活用」であった。
正直に申し上げて、二条城にこれほど数多くの障壁画が現存することもはじめて知ることであった。私の仕事は、まず画像を見ることからはじまった。二の丸御殿の遠侍、大広間、黒書院、白書院に現存する襖絵、壁と天井に施した絵画の一部であるが、障壁画のデジタル画像は計384枚に上っていた。
デジタルアーカイブされた障壁画の画像は、京都デジタルアーカイブ研究センターの委託を受け、日本写真印刷株式会社が作製したものである。同社によって、傷みが進んでいる障壁画300面あまりをフィルムとデジタルカメラによる2つの方法で新規撮影が行われ、デジタル化が進められた。フィルムは8×10フィルム(カラー)を高精細ドラムスキャナーによって1,200dpiの解像度で入力され、デジタルカメラでは当時として最高レベルの解像度(フェーズワンFX使用、1億3千万画素)での撮影により、フィルムと同等の解像度1,200dpi相当を確保した。
このように得られたデジタル画像は、縦横サイズが8,000~10,000ピクセルとなる高精細画像であった。画像一枚あたりが約400MB程度のファイルサイズになっているため、当時のパソコンでは容易に画像ファイルを開けることすらできなかった。
ファイルサイズが大きすぎて、手軽に画像を見ることができないのが最初の壁であった。意地を張っても一点あたり10分以上もかかり、一日5点程度を見ていくうちに時間が経って行く。障壁画と障壁画どうしの関連があるかどうかもわからないまま、当時はかなりストレスを感じたことを覚えている。
せっかく高精細な障壁画像を見る機会に恵まれているというのに、それを簡単に見られない、その意味もわからない、デジタルアーカイブ事業の成果を利活用するのにどうしたらよいか、悩みモードに嵌ってしまった。
「原点にもどる、現場へ行こう!」
答えは現場にあると思い、連日二条城、二の丸御殿へ出かけることにした。まずは、定点観察から行った。
…結局、何回足を運んだかは、自分でさえ覚えていない。

1983年7月
中国科学技術大学計算機系卒業
1984年10月
国費留学生として来日 名古屋大学 工学研究科研究生
1987年3月
名古屋大学工学研究科情報工学専攻博士課程前期課程修了
1990年3月
名古屋大学工学研究科情報工学専攻博士課程後期課程単位取得修了
1991年3月
名古屋大学工学研究科情報工学専攻博士学位取得(工学博士)
1991年5月
京都高度技術研究所研究員
2001年10月
京都高度技術研究所 研究開発部 主任研究員
2007年4月~
現在至る
京都高度技術研究所 情報事業部 主任
主に下記の研究/開発業務に携わってきた。
1)次世代アプリケーション開発事業「オンデマンドレンダリングサーバによる3次元素材配信システム」の開発(IPAにより受託)
2)「オンライン画像エンハンス処理サーバ」の開発(企業により受託)
3)「タグ付けられた世界での行動を認識する携帯型アシスタント」2004 年度、2005年度(IPAにより受託)
4)京都デジタルアーカイブ事業―後続アーカイブデータの利活用に関する技術開発(京都市から受託)
5)「京都デザイン活用プロジェクト」(総務省)が地方自治体等へ委託する「地域ICT利活用モデル構築事業」
社会活動 :「日中防災減災国際ネットワーク」 四川省大地震復興支援NPO活動
http://www.city.kyoto.jp/bunshi/nijojo/
定点観察と実地調査結果から、「まず、二条城二の丸御殿内を見えるようにする」と目標を決め、早速調査に着手した。
世界遺産二条城は、例年京都市内の観光訪問地の上位10位以内に入っており、国内外から多くの観光客が訪れる名所となっている[京都市観光調査年報 平成18(2006)年~平成20(2008)年による]。国宝である二の丸御殿は常時公開されており、観光客は建造物の内部で、直接日本文化のすばらしさが体験できる。しかし、長い年月を経て、御殿内の障壁画実物は傷みを負ってきたため、修復に出されるものもあれば、模写された障壁画が代わりに御殿内に配置されるものもある。修復済みの障壁画は収蔵庫「築城400年記念 展示・収蔵館」に保管され、年に4回展示・公開されている。
京都市デジタルアーカイブ事業において、二の丸御殿内にある380枚あまりの障壁画の高精細画像データが蓄積されてきた。これらのデータには障壁画の詳細が記録されており、従来からの建造物や収蔵館での障壁画実物に対する見学満足度を100%とするならば、高精細画像データを観光客に提示できれば、観光客の見学満足度を120%以上にできることが考えられた。そこで、われわれは平成17年度において、障壁画デジタルアーカイブ高精細画像データを整理し、まず、画像データがそろった黒書院三の間、四の間を用いて、「Digital Archives展示システム」(以下展示システムと呼ぶ)を構築しはじめた。つづいて、H18年度に、黒書院一の間と二の間の部分を追加した。二条城事務所、特に学芸員の方々のご協力により、成果物の展示システムを収蔵館のエントランスに設置、一般公開した。
この展示システムの目的は、観光客の二条城に対する見学満足度をより高めることにある。すなわち、デジタルアーカイブ画像データを用いて、観光客に障壁画の詳細部分の鑑賞機会を与えるとともに、障壁画が二の丸御殿に配置された順に沿って解説を提供することにより、実物・実空間による実際の体験に加えて、障壁画に対する理解を深めることを目指している。下図にて「Digital Archives展示システム」の位置付けを示す。
図2 「Digital Arccchives展示システム」の位置付け
平成17年度において、まず、黒書院三の間と四の間部分を展示システムに組み込んだ。平成18年度では、さらに、黒書院一の間、二の間の障壁画データに対して、色補正及びサイズ補正を行い、その補正結果を平成17年度で構築した「Digital Archives画像展示システム」に追加し、鑑賞誘導アプローチの改良を行った。この結果も引き続き公開実験により検証を行った。平成18年度の公開実験を通して、「Digital Archives画像展示システム」の有効性を検証した。
図3 内容概要図
すなわち、以下の作業を実施してきた。
本展示システムは、実地での文化財実物見学による感動を高める効果が期待でき、文化財実物とデジタルアーカイブ画像データとの融合的な利活用方法の一つといえる。
本展示システムは、障壁画実物の展示場所に置くことを前提として開発した、二条城二の丸御殿の障壁画画像の展示システムである。現在、黒書院の障壁画実物のアーカイブ画像が最も蓄積されていることから、平成17年度において、まず二条城二の丸御殿 黒書院三の間・四の間を対象として展示システムを構築し、平成18年度でまずこの部分を含む公開実験を実施することとした。
観光客が二の丸御殿を見学し、その建築空間を直接体験することができれば満足していただけるが、文化財保護の理由で御殿内の照明と見学順路に制限を設けることになっているため、せっかく来城した観光客が障壁画の詳細まで観ることはできない。観光客の満足度をより高めるために、二条城障壁画Digital Archive(高精細画像データ)を活用する一環として本展示システムを構築した。
襖一枚一枚だけでは障壁画本来の空間装飾の魅力は伝わらないので、障壁画を壁面または空間全体で表現するように、Digital Archivesデータをそれぞれ各間における位置関係に応じて見えるようにした。これにより、観光客が障壁画の空間装飾効果の理解を深めることができる。
各障壁画の音声を用いた説明に沿って、説明対象となる画像の詳細部分を拡大表示している。この見せ方により、説明文章と画像が結びつけられ、観光客に画像または説明内容をより印象づける効果がある。
観光客が気軽に本システムを利用できることを考慮し、障壁画の選択操作をタッチパネルにすることで、機械を操作するという心理的負担を軽くした。
図4 「Digital Archive画像展示システム」トップ画面
平成17年度において、黒書院三の間、四の間の障壁画データに対してサイズと色補正を行い、実際の建造物の近くに配置し、実物の確認をしながら鑑賞可能な展示システムを制作した。
二条城二の丸御殿の障壁画をデジタルアーカイブ化する際、襖絵などの障壁画は一枚一枚の単位で撮影されているため、各々の照明条件とカメラとの位置関係は異なっている。その結果、実際の建築空間に従って上下左右に隣接して配置される障壁画像の色合いと画像サイズにずれが生じている。それに多くの場合において、一枚の障壁画だけで絵を構成していることより、建築空間の壁一面、または、部屋の東西南北壁が連続変化する画面構成になっている。そこで、障壁画デジタルアーカイブ画像データを展示する場合に、一枚一枚のアーカイブ画像データに対して色補正とサイズ補正を施し、障壁画本来の様式で見せることが必要不可欠である。限られた予算と時間の範囲内で、平成18年度において、引き続き、黒書院一の間、二の間のアーカイブ画像データに対して色補正とサイズ補正を実施した。
図5 黒書院一の間と二の間想定平面
障壁画データ同士のサイズの調整をする際、まず相互の隣接関係を確認するため、二の丸御殿平面図とそこにある障壁画計測寸法を用いて、例えば、黒書院一の間と二の間の想定平面図を作成した(図5)。
平面図からわかるように、一の間南側と二の間の間には襖がなく、二つの間が連続空間になっているが、一の間は二の間より一段高くなっている。このため一の間は上段の間とも呼ばれている。さらに、一の間東側には帖台構があり、西側には明かり障子が配してある。サイズ補正とは、平面図の寸法に合わせて施した障壁画画像データに対するサイズ補正を指す。
図6 黒書院一の間、二の間、三の間と四の間 平面想定図 補正
本システムで処理する二条城二の丸御殿障壁画の原画像は、日本写真印刷株式会社により撮影・デジタル化された高精細画像である。


黒書院一の間東側の画像補正例
図7 黒書院一の間東 元画像→色とサイズ補正後
元画像に写っているカラーバーの白色を基準にして、画像間の色合いを調整したのち、障壁画部分のみを切り出し、予想平面図に合わせて隣接画像のサイズ補正を行った(図7)。黒書院一、二、三、四の間にある障壁画像計128枚に対して上記の処理を行った。
二の丸御殿の各部屋の格式には段階があり、大広間は一番格式が高く、大広間の障壁画は狩野探幽が描いた。黒書院は二番目とされており、大広間より若干規模は小さいが、部屋飾りはより技巧的、襖絵は探幽の弟、尚信の作品である。(参考文献:狩野派決定版 (ムック) 山下 裕二 (著), 安村 敏信 (著), 山本 英男 (著), 山下 善也 (著))。
これまでに大広間の障壁画を内容としたコンピュータグラフィック技術による画像提示(凸版印刷、日立製作所など)の試みはあったが、黒書院の障壁画に対する詳細提示は殆どない。本展示システムのトップ画面から各間の空間関係を示しながら、それぞれの障壁画への視線誘導ボタンとメニューを配置し、各間への誘導画面を設けた。
展示システムは下記のことを基本コンセプトとした。
障壁画実物の展示場所の近くに設置することで、入場者数やシステムへの人の集まり具合から直接的に利用者の要求や反応を見ることができる。一般観光客を利用者とするのは本展示システムによる観光客満足度を検証するためである。公共展示空間では観光客をある箇所に長時間に足を止めることは望ましくないから、展示画面でのユーザ操作を最小限にした。展示内容の階層図は図8のとおりである。
図8 「Digital Archive画像展示システム」画面階層図
トップ画面でのナビゲーション及び各間の配置関係をわかりやすいユーザインタフェースに改良した。以下、詳細内容を示す。
各部屋の空間配置図をトップ画面に明確に提示し、そして、鑑賞可能な各方角に透明感のあるオレンジ色のボール(ナビゲーションボール)を配置した。さらに、誘導効果を高めるために、空間配置図を動画にし、常に各面の障壁画への視線を誘導することにした。同時に、メニュー画面において、各間及び各々の方角に対応するメニューボタンを配置した。すなわち、コンピュータの操作に慣れた観光客にはメニューボタンからの誘導、コンピュータの操作に慣れない観光客にはナビゲーションボールによる誘導仕組みを設けた。また、観光客には迷路操作に落ちないようにするために、右上の「はじめに戻る」ボタンを用意した、これにより、いつでも初期画面に戻れることが可能になっている。
図9のように、トップ画面に黒書院の四つの間の空間関係及びそれぞれの障壁画がわかるようにナビゲーション動画を配置した。この動画により、画面を触ったり、点滅しているナビゲーションボールを押したりする動作を観光客に促す。また、コンピュータ操作に慣れている観光客には、画面左側にメニューボタンを用意した。さらに、「ボタンやナビゲーションボールを押すと障壁画の説明がはじまります」という文字メッセージを表示させている。一枚一枚の障壁画に対する検索ではなく、二の丸御殿の実際の空間的繋がりを強調し、本来の空間配置を視覚化した形での障壁画への誘導を可能にした(図9~図12)。
図9 展示システム トップ画面(初期状態)
図10 展示システム トップ画面(一の間メニューが選択された場合)
本展示システムは観光施設現地に、観光客向けに設計したため、観光客の手による障壁画画像の自由な拡大・縮小操作を制限した。なぜなら、観光客を必要以上に画面の前に足止めしてしまえば、観光の流れを止めることになるからである。
しかし、せっかく来場した観光客の満足度を高めるために、なるべくわかりやすく黒書院の各間の障壁画を提示することが望まれている。そこで、われわれは二条城学芸員による解説文を展示シナリオにした。また、解説文には難読の漢字も含まることを考慮して、音声案内も展示に取り入れ、障壁画の全体から詳細への誘導・提示を実装した(図11、12)。
この展示ステムでは、各間の各方角を選択することにより、その対応する障壁画の空間における配置とともに、障壁画の建造物における装飾効果も確認できる。
図11 一の間 東側
図12 一の間 北側
本展示システムにより、観光客がシナリオに沿った内容で障壁画の詳細鑑賞ができる。以下それぞれ二条城事務所学芸員のご協力をいただいたシナリオ内容とともに展示内容の詳細を示す。
「一の間東側の手帳台構には、小さめの襖が四枚はめられており、左端には、八重桜が中央に大きく伸び、長押の上まで達している。木の根元には躑躅と一羽の雉子を配し、長押上貼付には遠山が見える。右側には水辺にたんぽぽや董が咲き、華やかな春の情景が広がっている…(以下略)」
解説文に沿って、展示画面には図13、14のように展開していき、デジタルアーカイブならではの詳細内容を提示する。
図13 一の間 東側
図14 一の間 東側詳細
さらに、下記内容の音声解説が続くと、画像(図15)の該当部分が表示される。
「二の間 東 向かって左側から伸びる網代垣に続き、その奥に竹垣が向かって右方向へ伸びている。この垣根に呼応するように…(以下略)」
図15 二の間 東側詳細
黒書院各間にある障壁画は、二の丸御殿の他の間にある金碧障壁画と同様、江戸時代当時は電気照明がなかったので、昼間は障子からの外光、夜間は蝋燭の照明の下でしか鑑賞できないものであった。蝋燭が灯った空間では一層その本来の装飾・観賞価値が分かっていただける。観光客には蝋燭照明下の二の丸御殿見学は現実的に不可能であるが、この展示システムにより、異なる照明条件での障壁画の姿を擬似的に鑑賞できるようになった(図16~図19)。
図16 一の間 東 昼間
図17 一の間 東 夜間
図18 一の間 北 昼間
図19 一の間 北 夜間
本展示システムの有効性を検証するために、下記のとおり、平成18、19年度において公開実験を実施し、観光客に直接アンケートを取って効果の検証を行った。
公開実験により本展示システムの有効性と実用性が確認できたため、二条城からの依頼を受け、観光客の満足度向上をめざして引き続き本システムの活用を行い、現在に至っている。
(継続的に収蔵館の公開時期に合わせて、システムの展示を実施。)
期間:平成18年度(2006年)~平成21年度(2009)計4年間、17期、今後も継続予定
平成18年度
第2期:「威厳と静謐 ―松孔雀図と山水図―」 平成18年5月20日~7月9日
第3期:「秋の景物 ―初公開:武者隠しの障壁画―」平成18年10月7日~11月26日
第4期:「桃山の遺風 ―大広間四の間「松鷹図」障壁画―」平成19年1月20日~3月11日
平成19年度
第1期:「白書院の非公開障壁画展」平成19年5月9日~6月10日
第2期:「狩野尚信生誕400年記念特別展(前期)」 平成19年7月14日~9月8日
第3期:「狩野尚信生誕400年記念特別展(後期)」 平成19年9月29日~11月25日
第4期:「新春特別展 ―これが松鷹図だ!―」 平成20年1月5日~1月25日
平成20年度
第1期:「二の丸御殿 鳥尽くし展 ―初公開!探幽の孔雀―」 平成20年4月20日~6月8日
第2期:「黒書院障壁画展 ―将軍の視点で観てみよう―」 平成20年6月28日~8月25日
第3期:「秋の景物展 ―御所から来た名所図と黒書院の花鳥画―」 平成20年8月29日~10月5日
第4期:「新春特別展 ―これが松鷹図だ!―」 平成21年1月5日~2月15日
平成21年度
第1期:「黒書院 桜の障壁画展 ~大政奉還の舞台裏~」 平成21年4月12日~5月25日
第2期:「黒書院 松の障壁画展~修理完了後初公開~」 平成21年7月10日~8月31日
第3期:「秋冬の景物展~初公開!白書院の水墨花鳥図~」 平成21年9月12日(土)~11月3日
第4期:「新春特別展 ~これが松鷹図だ!~」平成22年1月2日~2月11日
今後も、展示を継続する予定である。
公開実験と展示の実施にあたって、収蔵館にいる係員のご協力をいただき、観光客へのアンケート回答を実施した。アンケート項目は以下に示す。
タッチパネル式二条城障壁画デジタルアーカイブ画像活用実験アンケート
アンケートへのご協力をお願いいたします。
問1:展示内容についての満足度をお聞かせください。
1.たいへん面白い 2.面白い 3.まあまあ面白い 4.面白くない 5.ぜんぜん面白くない
問2:展示内容のどの部分がよかったですか?
1.詳細な部分が鑑賞できる 2.説明が聞ける 3.場の雰囲気が味わえる 4.特にない
5.その他( )
問3:タッチパネルの画面操作は分かりやすかったですか?
1.わかりやすい 2.押すボタンが分かりにくい 3.全体が分かりにくい
問4:この展示内容で実物が分かりやすくなったと思いますか?
1.思う 2.思わない
問5:展示内容を家で見たいと思いますか?
1.DVDで見たい 2.インターネットで見たい 3.TVで見たい 4.図録で見たい 5.思わない
問6:展示の内容や障壁画に対して、ご意見・ご感想をご自由にお書きください。
ご協力ありがとうございました。お疲れ様でした。
ご年齢:
20歳未満・20~29歳・30~39歳,40歳~49歳・50~59歳・60歳以上
ご職業:
会社員・学生・自営業・公務員 その他( )
「問1~問4」は本展示システムの制作側が技術の視点から確認したい効果に対する質問項目であり、以下一部例として、平成20年度のアンケート回答総数105人からの集計結果を下記のグラフでまとめた。





上記グラフから障壁画の展示内容について、90%以上の観光客が満足されている。80%の観光客が画面操作がわかりやすいと回答したが、押すボタンには改良の余地があることがわかった。
展示内容について、90%以上の観光客は詳細内容が鑑賞できる、説明が聞けることに興味を示された。90%の観光客から、障壁画実物に対してわかりやすくなった効果が確認できた。
展示内容を家で見たい場合は、インターネットで見たい要望と、従来からのTVや図録、DVDで見たい要望が半々になっていることがわかった。


アンケートを回答した観光客の年齢層は40歳代以上が多いと予想していたが、20代~30代の観光客が多いことがわかった。職業については、学生が3割近い比率であるという興味深いことが確認できた。(学生として修学旅行生、大学生を含む。)
アンケート(ご意見・ご感想)から一部抜粋
前ページからわかるように、アンケート回収数は統計データとしてまだ十分ではないが、観光客から直接感想・要望などのご意見を収集できたことで、公開実験には重要な意義があったといえる。
アンケートの「問1~問4」は本展示システムの制作側が技術の視点から確認したい効果に対する質問項目であり、アンケート結果から本展示システムの機能・性能の有効性が確認できた。操作性の面においては、「メニューボタン」についての改良が必要とわかった。
アンケートの「問5:展示内容を家で見たいと思いますか」は利用者の利用傾向を確認する目的で設定した。問6の自由意見・感想欄へ回答は、利用者である観光客からの直接的なご意見であり、本展示システムの有効性と必要性を検証するための重要な項目である。これらの意見から、図2で示した「Digital Archives展示システム」の位置付けをより明確したことが確認できた。
前述の図2では観光客が二の丸御殿を見学することを第0次体験、次に収蔵館にて、展示された障壁画を間近に鑑賞することを第1次体験、さらに収蔵館エントランスに設置された本展示システムによる見学を第2次体験と述べたように、アンケートから収集した意見から、本展示システムによるこの三つの体験の相乗効果により、観光客の満足度が高められることがわかった。
利用者の職業区分からわかるように、学生の利用者数は比較的多く見られた。これに関して私見ではあるが、修学旅行生の他に、京都という土地柄で美術系の学生、または伝統文化に興味を持たれる学生が多いのではないかと推測できる。最近、二条城事務所の方々も襖絵の塗り絵コンクール(新春特別展~これが松鷹図だ!~特別企画「松鷹図」ぬり絵コンクール 入館者による投票の結果発表! >>[受付期間:2009年12月14日(月)~2010年1月15日(金)、展示・投票 期間:2010年1月23日(土)~2月11日(木・祝)。現在終了 ])の企画が出されて、多くの青少年が参加され、好評であった。
そもそも中学校の歴史教科書には「大政奉還」の項目に二条城及び関係写真が掲載されていることから、青少年にとっても二条城は身近な名所であり、来城して実際の建造物とともに数多くの障壁画に触れてみたいと思うことは自然な成り行きといえよう。中にはこれを契機にして、さらに深く探求する学生が出てくることも考えられる。京都発でよいから、これまでさまざまなフィールドで蓄積されてきた文化財のデジタルアーカイブへ、小中学生たちが自由に触れる機会をつくることを提案したい。
上記のご指摘から、本展示システムの課題として、ユーザインタフェースの改良と、もともと大画面である障壁画の本来の良さを提示するための高速・高画質な表示技術の開発、さらに大画面ディスプレイ装置による展示方法があげられる。
黒書院一の間、二の間、三の間、四の間障壁画を内容とする「Digital Archives画像展示システム」の公開実験を通して、本展示システムの有用性が確認できた。これにより、障壁画の高精細画像データを一般利用者である観光客向けに利活用する一事例を作ったといえる。
この活動を通して、下記の問題・課題があることがわかった。
これまでに蓄積されてきた二条城二の丸御殿障壁画の高精細画像データは、海外への京都文化(あるいは日本文化)の発信素材として、国内では、観光客のみならず地域において、小中学校教育用素材としての利用、そして市民の皆さんに気軽に利用いただける文化的コンテンツとなることが期待できる。
謝辞:
本展示システムの開発及び公開実験にあたりまして、多大な協力及び貴重な助言をいただきました元離宮二条城事務所、学芸員の皆様に厚く御礼を申し上げます。
二条城障壁画デジタルアーカイブ
展示システム
Category: Digital Archives