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アーカイヴと再制作

修復・再制作プロジェクトにエンジニアとして関わった3人による対談:第1回(全3回)―式年遷宮と民間伝承と神話、あるいはフランケンシュタインとゾンビとイタコ対談:古舘健×三原聡一郎×白石晃一

2019 07 22

1. 作品の概要及び修復・再制作の概要

1-1. 古橋悌二『LOVERS――永遠の恋人たち――』

作品概要

《LOVERS――永遠の恋人たち――》は、1984年に京都で結成されたアーティスト集団ダムタイプの中心的なメンバーとして活躍していた古橋悌二のソロ・ワークである。キヤノンが運営していた文化支援プロジェクトであるキヤノン・アートラボとの共同で制作が行われた。本作は、空間の中央に屹立(きつりつ)するタワーに設けられたプロジェクターから、それを取り囲む四周の壁に向かって映像が投影されるヴィデオ・インスタレーション作品である。加えて、コンピューター・プログラムによる制御、センシングによる観客とのインタラクション、映像と音声を併用した空間構築といった機構を持つ ※1

“第2章 事業の目的、主旨”.タイムベースト・メディアを用いた美術作品の修復/保存に関するモデル事業 実施報告.2019年6月25日参照.)

オリジナル・ヴァージョンの記録映像。

オリジナル・ヴァージョン発表年

1994年

修復/再制作年

2015年 ※2

修復/再制作の概要

京都市立芸術大学 芸術資源研究センターが中心となり ※3 、平成27年度メディア芸術連携促進事業 連携共同事業「タイムベースト・メディア ※4 を用いた美術作品の修復/保存に関するモデル事業」として、『LOVERS――永遠の恋人たち――』(以下、『LOVERS』)の修復・保存を実施した。この時の修復でオリジナルと定義されたのは1994年のキヤノン・アートラボ展の状態であり、将来的には関係者なしに再構成できるようにすることが目標に据えられた。修復された『LOVERS』は、2016年に京都芸術センターにて展示された。

修復された『LOVERS』。
修復された『LOVERS』。
『KAC Performing Arts Program / LOVERS』(京都芸術センター講堂、2016年)
撮影:表恒匡 写真提供:京都芸術センター

※1 詳細な作品概要は、タイムベースト・メディアを用いた美術作品の修復/保存に関するモデル事業 実施報告の第2章 事業の目的、主旨参照。

※2 ここで記載する修復/再制作年は、あくまで近年京都で行われた修復/再制作に関するものであり、他の機会にも修復/再制作は行われている。

※3 詳細な実施体制は、タイムベースト・メディアを用いた美術作品の修復/保存に関するモデル事業 実施報告の第3章 実施体制参照。

※4 「タイムベースト・メディア(time-based media)は,鑑賞が時間的に展開する媒体を指し,主にフィルム,ヴィデオ,スライド,コンピュータ,パフォーマンスなどが挙げられる。」(石谷治寛 執筆.“タイムベースト・メディアとは”.タイムベースト・メディアを用いた美術作品を保存・修復・記録するためのガイド.参照2019-06-24.)

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