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アーカイヴと再制作

修復・再制作プロジェクトにエンジニアとして関わった3人による対談:第1回(全3回)―式年遷宮と民間伝承と神話、あるいはフランケンシュタインとゾンビとイタコ対談:古舘健×三原聡一郎×白石晃一

2019 07 22

1-2. 三上晴子『欲望のコード』

作品概要

3つの構成で展開する大規模なインタラクティブインスタレーション。
巨大な壁面を覆い尽くす昆虫の触毛を思わせる大量のストラクチャー(「蠢く壁面」)と、会場中央の天井から吊られた6基のサーチアーム(「多視点を持った触覚的サーチアーム」)は、昆虫がうごめくように、観客を追尾し、監視している。また、会場の奥には、昆虫の複眼のような巨大な円形スクリーン(「巡視する複眼スクリーン」)が設置されており、ここにはストラクチャーに取り付けられたビデオカメラの映像や、世界各地の公共空間にある監視カメラの映像などによって構築されるデータベース「欲望のコード」から映像が、複雑に交錯しながら投影されている。さらに、会場のいくつかのポイントには超指向性マイクが設置されており、インスタレーション空間内で発生する話し声や物音、作品の機械音を収集。3つの構成の状態をもとに、現時点までに蓄積された過去の音声を呼び戻し、それを素材として、常に新たな音響空間を生成している。
※5

“欲望のコード”.山口情報芸術センター[YCAM].2019年6月25日参照.)

2010年にYCAMで展示されたオリジナル・ヴァージョンの展示記録映像。
三上晴子『欲望のコード』 山口情報芸術センター[YCAM] スタジオA、2010年

オリジナル・ヴァージョン発表年

2010年

修復/再制作年

2016年~2018年 ※6

修復/再制作の概要

2016年7月から山口情報芸術センター[YCAM](以下、YCAM)によって、再展示可能な状態に復帰させるためのプロジェクトがスタート。2018年1月にかけて断続的に実施された。同プロジェクトの作業としては、破損部分の修復/再制作がメインだが、それ以外にも多岐にわたる作業が行われた。代表的な作業内容は「制作プロセスについての関係者へのヒアリング」「サーチアームの修復」「『蠢く壁面』の修復」「システム全体のダウンサイジング」。 ※7

※5 詳細な作品概要は、山口情報芸術センター[YCAM]の「欲望のコード」紹介ページや、「欲望のコード」特設サイトのWORKSなど参照。

※6 ここで記載する修復/再制作年は、あくまで近年YCAMで行われた大幅な修復/再制作に関するものであり、他の機会にも修復/再制作は行われている。

※7 詳細な作業内容は、馬定延/渡邉朋也 編著『SEIKO MIKAMI 三上晴子 記録と記憶』(NTT出版、2019年)内の「三上晴子作品のそれから ―《欲望のコード》と《Eye-Tracking Informatics》」(214〜226ページ/文:渡邉朋也)を参照。

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