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アーカイヴと再制作

修復・再制作プロジェクトにエンジニアとして関わった3人による対談:第1回(全3回)―式年遷宮と民間伝承と神話、あるいはフランケンシュタインとゾンビとイタコ対談:古舘健×三原聡一郎×白石晃一

2019 07 22

3-3. 國府理『水中エンジン』

——続いて、白石さんお願いします。

(白石)
ディシジョン・メイキングについて我々の場合は単純で、基本的に遠藤がすべてを担っていて、最終的には遠藤がプロジェクト・ディレクターとしてどの方向に進むかという判断をするということで決まっていました。とはいえ、遠藤はかなり周りの意見を聞いて進めていくし、「エンジニアリングの細かいところは僕にはわからない」と明言していたので、私からの「こういうふうにやれば実現できる」とか「こういうふうにやらないとできない」という提言を素直に受け入れてくれていました。「ああやってくれ、こうやってくれ」ではなく、「水中でエンジンを動かすという大目標に対してプラスに進むのであれば、どんどん実行しましょう」というような姿勢です。

再制作作業の様子(水入れテスト)
再制作作業の様子(水入れテスト)。
画像提供:國府理「水中エンジン」再制作プロジェクト実行委員会

(古舘)
『水中エンジン』の場合、展覧会を通してプレゼンテーションするということがあらかじめ目標に据えられていたから、会期中安定して稼働しなければいけないというミッションがあった。だからきっと作品単体で考えるというより、「展覧会をどうするか」というキュレーター・マターなんですよね。

(三原)
『水中エンジン』の資料を読んで、もはやリバース・エンジニアリング ※15 というレベルでもないようなことをしていてすごいと思った...愛を感じた(笑)。でも冷静に見ると、その愛と距離感をとるのはかなり難しいんじゃないかと思う。

(白石)
それは本当に難しかったし、今でもあの判断が正しかったのかという迷いはあります。

白石晃一 対談風景
白石晃一

※15 「機械を分解したり、製品の動作を観察したり、ソフトウェアの動作を解析するなどして、製品の構造を分析し、そこから製造方法や動作原理、設計図などの仕様やソースコードなどを調査することを指す。」(“リバースエンジニアリング”.ウィキペディア日本語版.参照2019-07-02.)

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