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プログラミングを用いた映像制作のコツ 第3回 ~空間制作から考える~ 前半文:神田 竜/Kezzardrix(プログラマ/アーティスト)

2019 11 28

クリエイティブコーディング完結の罠

発想は使用ツールや作業工程で制約される。映像生成ツールを自由に設計できるはずの、いわゆるジェネる ※9 映像でさえ発想は偏る。

ジェネる映像で良くあるのは、三角関数やノイズなどのアルゴリズムを用い、入力パラメータのランダマイズと繰り返しコピーを使って、何やらかっこいい物体を画面の真ん中に作る、という表現だ。ここに前回筆者が示したよう、一定方向に流れるパーティクルなどのベクトルを与えれば、一応は完成ということになる。しかし、こうして何とか使える表現に辿り着いた後、そこからどう映像を発展させれば良いか、というのがわからなくなることが良くある。下の絵は最近の失敗例だ。カールノイズ ※10 でパーティクルを球体から発生させとけばかっこいいだろう、と思って作ったものの、ここからどこにも行けなくなってしまった。

カールノイズ
カールノイズ

発展が思いつかない場合、Bメロからサビにかけて映像が変わった、というのをわかりやすく提示するためには、別のかっこいい物体のシーンを作る、ということになる。これを繰り返すと、先述した絵の印象が変わり過ぎる問題の発生に加え、工数がどんどん増えていく。これはしんどい。

ここまでの問題点を整理すると、

  1. ベクトルの設計が必要
  2. その上で絵の雰囲気を揃えなくてはいけない

という2つの問題を解決して映像を制作する必要がある。この問題を同時に解決するためには、空間設計のアプローチが有用だと筆者は考えている。次章でごく簡単な例を示す。

※9 ここでは「リアルタイムに映像をジェネレートする」という意。

※10 ノイズアルゴリズムの一種。乱流などの生成に使われる。

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