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特集

世界を信じるための映画 『ギ・あいうえおス 他山の石を以って己の玉を磨くべし』
インタビュー:柴田剛
ゲスト・インタビュアー:山城大督

2017 05 16

6. 「信じる」ということをやってみる

(山城)
さっき「3.11の後から謎の発光体を探していた」と言っていたじゃないですか。それは柴田さんが個人で探していたということですよね。

(柴田)
はい。

(山城)
なぜ、いきなりそんなことをしようと思ったんですか。

(柴田)
よくぞ聞いてくれました。3.11の時、僕はずーとテレビにかぶりついていて。ただただ現地の様子を中継している映像や、現地の情報をまとめたドキュメンタリー番組・映画を見ていた。その時に何を信じたらいいかわからなくなった。これは自然災害とも言えるし、ある種の事件だとも言える。一緒ですよね、「ギ・あいうえおス」を撮っている感覚と。あらゆるものが並行している。感じて気付いていなきゃいけないレイヤーが急に増えて、僕は何を信じたらいいんだろうって…。でもそんなんじゃ生きている心地がしない。そんな時、Twitterを通して、福島の原子力発電所の上空に数十基の白い発光体が動いている動画を観た。

(山城)
ありましたね。

(柴田)
これはなんだろうと調べてみると、原子力発電所の事故で飛散した放射能の総量を白い発光体が三分の一にカットしたという噂があるらしいと。それは信じようと思った。信じたいから。

(山城)
あの時だったらちょっと気持ちはわかるなぁ。

(柴田)
わかるでしょ?

(山城)
陰謀論から何から、色んな話からいっぱい出ていたから。

(柴田)
その後、陰謀論という言葉があると知っていっぱい調べたんですよ。TVをつけるとそういう番組が流行っていて…なんかちょっと地下鉄サリン事件や阪神淡路大震災が起きた頃の時代に似ているなと思った。あの頃、僕は高校性だったんですけど、国中が慌てていて、ものすごい情報量の中でどうやって情報を吸収したらいいかわからなかった。それと全く同じ状況が3.11の時にあった。僕の場合は信じるものがなくなって、わからなくなった時に入ってきたのが謎の発光体の情報でした。謎の発光体は放射能の総量を三分の一にカットしているんじゃなかろうかと専門家たちは言う…ある専門家って(笑)?まあそれは置いといて、根拠優先じゃなく、信じてみるという自分にいってみようと。自己実験に近いと思います。それが嘘かもしれないということも含め。何にせよ一番大事にしたかったのは何も信じれないという自分から脱却することだった。世界を信じたいからまず「こうであってほしい」っていう。

(山城)
実際にそれを色々なところへ探しに行った?

(柴田)
はい。そこ(自宅のベランダ)からも見たことがありますし、別の日にはうちに訪れた友人が帰るときに見送りに出たら、この(自宅)近くにある駐車場で、電柱のトランス(変圧器)くらいの高さにオレンジ色の発光体が…。

(山城)
そんな近いところにですか。

(柴田)
質感はグミみたいで、色はオレンジ。中は赤くて発光していた。形はやや丸っこい菱形で、オレンジ色のクリオネのようでした。マシーンぽくはなくて、もっとこう…生き物みたいだった。僕がびっくりしたのを見て、その発光体もびっくりして、スーッと向こうの方に飛んでいって消えたんですよ。だから今は僕の中で確信している。

インタビュー風景
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