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特集

空間現代+古舘健 展覧会「群れ」バンドとアーティスト/エンジニアによる共同制作インタビュー:空間現代、古舘健

2019 10 01

4. 曲と曲じゃないものの境

――続いて、スピーカーを用いた作品について、アイデアの解説をお願いします。

16台のスピーカーを利用したマルチチャンネルのサウンドインスタレーション
16台のスピーカーを利用したマルチチャンネルのサウンドインスタレーション
16台のスピーカーを利用したマルチチャンネルのサウンドインスタレーション。
天井から吊り下げられたスピーカーからは、空間現代自身によって再編集された楽曲「Mure」が8チャンネルで再生されている。

(古谷野)
この展覧会のタイトルにもなっていて、『Palm』にも収録している「Mure」という曲を、8チャンネルに編集し直し、16台のスピーカーで再生しています。また無音の部分、つまり演奏していない部分を圧縮したり、逆に広げたりという形で編集を加えたりもしています。「Mure」を16台のスピーカーで演奏し直すといえるかもしれません。
まるでスピーカーがランダムに演奏しているかのようにも聴こえるし、人間が演奏したっぽい...つまり「曲っぽい」感じもする。実際に僕たちの中では15分1曲の作品と認識しています。曲と曲じゃないものの境のような作品が作れないかと思い作った作品です。

空間現代「Mure」

(野口)
「空間で聴こえ方を捉える」というのは、普段ライブではそこまで主体的に作れない経験なので、けっこう意識しました。

(山田)
ドラムの音がギャラリーの中を回るんですよね。

(古舘)
「肉体という主体がないことをどう利点として生かすか」という思考から生まれた作品です。

(古谷野)
観客としてライブを観るとき、「今はハイハットを聴いている」「今はギターを聴いている」「今はヴォーカルを聴いている」という瞬間があると思うんですけど、この作品ではそれをさらに細かい単位でできてしまう。一瞬その音にフォーカスして離れて、また別の音にフォーカスしてというのが断続的に続く感じです。

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