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レポート:緊急シンポジウム「京都市による京都駅東南部エリア『都市計画の見直し素案』を考える」

2019 11 12
佐々木雅幸
佐々木雅幸

(佐々木)
大阪市立大学名誉教授の佐々木雅幸です。まちづくりに関して、大阪に比べると京都はとても真面目に議論していると思います。そして市長の門川(大作)さんも真面目な人です。それを踏まえて言えば、地元の高齢者の皆さんが「芸術よりもスーパーが欲しい」と声をあげているのも理解できます。しかし冷静に考えて、現在の歯抜け状態の土地にスーパーを建てても倒産するでしょう。行政は慌てずに、議論を進めていくべきです。

井上明彦
井上明彦

(井上)
美術家で京都市立芸術大学で教員をしている井上明彦です。いくつかのポイントがありますが、僕がいちばんに言いたいのは「創造的環境とはどうすれば生み出せるか?」に尽きます。

僕は小山田(徹)教授と一緒に、芸大移転の基本コンセプトをつくってきました。崇仁や東九条は、歴史的に鴨川の氾濫原で「河原者」と呼ばれた人々の場所です。河原には、皮を剥いだり、石を動かして庭をつくるような特殊な技術を持った人たちが暮らし、自然や生死と渡り合う高度な知恵や技術が育まれてきました。その場である河原はまさに創造的環境であって、芸大移転においてもそうした場所と共鳴するような「テラス」という構想を練っています。

しかしそういったアイデアと、行政が考える文化芸術のあいだには大きなギャップがあります。美術というのは設備のなかだけに収まるものではありません。僕たちがまだ掘り出していないこの地域のポテンシャルを見出しながら、いろんな人と交流しながら話し合っていきたいと、芸術に携わる河原者の一人として発言させていただきます。

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