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COLUMN

コラム

連載「都市空間と自律的文化へのアプローチ
――マンチェスター・ジン・シーン・レポート」(全4回)
第4回:ソーシャル・スペース〈パルチザン〉から見るジンとスペースの潜在力村上 潔(女性史研究者)

2018 04 19

1. ソーシャル・スペース〈パルチザン〉

はじめに、〈パルチザン〉について確認していこう。〈パルチザン〉を最も簡潔に規定すると、「マンチェスターの協同型アート/ソーシャル・スペース」(※1)となる。基本的な概要は①Partisan(n.d.=2018)、②Salford Zine Library(2016=2018)を参照してほしいが、その要点をまとめると以下のようになる。

2017年7月にオープンした〈パルチザン〉は、インディペンデントかつコミュニティ主導による、DIYの、文化を基盤とする諸プロジェクトが活動するためのスペースである。〈パルチザン〉は、共同体(コレクティヴ)として、また協同組合として、スペースを使い活動する人々によって民主的に所有され、管理されている。会員として登録することで、誰でもこのコレクティヴの一員となることができる。スペースは、地階のイベント・スペースと上階の広いソーシャル・スペースからなり、いずれも、地域のインディペンデントな文化的集団が、ミーティング/展示/映画上映/出版イベント/パーティ/音楽演奏のために使用することができる。会員費や賃料、イベント/カフェバーによる収入は、スペースを必要とする人たちが無料もしくは手頃な価格で使用できるようにするための補助に回される。〈パルチザン〉は、そのスペースを、利用しやすく子連れで来やすい場所に、そして、消費したり飲食物を買ったりしなければというプレッシャーなしに人と交流できる空間にすることを目指してきた。このスペースは、マンチェスターで活動する諸集団をまとめ、この街にあるオルタナティヴ・スペースのネットワークを構築するための共有資源となることが期待されている。

以上のように、〈パルチザン〉がその存在・活動理念として、純粋なDIY精神と協同性をベースに置いていることは、強く意識されるべきだろう。したがって、このスペースで、DIYカルチャーであるジンに関する取り組みが活発に展開していることには、十分な必然性がある。

※1)〈パルチザン〉のロゴマークの下のキャプション(http://partisancollective.net/)。

画像3

【画像3】ソーシャル・スペースのバー・カウンター
出典:https://twitter.com/PartisanCollect/status/978714556926251010

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【画像4】夜のソーシャル・スペースのフロア
出典:https://twitter.com/PartisanCollect/status/973291361985335298

【画像1~4】
画像提供:Partisan Collective(@PartisanCollect)


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