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COLUMN

コラム

タイルホコラツーリズム ――信仰を観光する中村 裕太(美術家)

2014 11 21

今回のルート上からは外れるが、壬生寺近くのタイルホコラも紹介したい。

図7 中京区朱雀第三壬生賀陽御所町

図7 中京区朱雀第三壬生賀陽御所町

今年の夏に地蔵盆の時期に合わせて「タイルとホコラとツーリズム」という展覧会を谷本研さんと開催したことが縁で、その祠のある町内の地蔵盆に参加した(※4)。朝、町内のタイルホコラに着くと、すでにお地蔵さまは近くの会場に移され、祠はもぬけの殻となっていた。

図8 中京区朱雀第三壬生賀陽御所町

図8 中京区朱雀第三壬生賀陽御所町

モルタルに張り付けられているように見えたタイルは取り外し式になっており、一年に一度お地蔵さまを移すときにだけ取り外されるのである。地蔵盆の会場では、壬生寺のお坊さんの読経に合わせて、町内の子供達が数珠回しをしていた。

図9 中京区朱雀第三壬生賀陽御所町の地蔵盆

図9 中京区朱雀第三壬生賀陽御所町の地蔵盆

遠巻きにその様子を眺めていた町内の方々にタイルホコラが作られた経緯を尋ねてみると、町内の左官屋により制作されたことが判明した。早速その左官屋の方のご自宅を訪ねてみると、祠を作った左官工の息子さん夫妻が温かい対応をしてくれた。ご夫妻によると、先代は生前、左官工として壬生寺の塀などを施工されていた方で、壬生周辺にも造詣の深い人物だったそうである。タイルは、他の物件で余剰になったものを張り合わせていたという。(先ほどの朱雀第二西ノ京右馬寮町のタイルホコラと喫茶店のボーダータイルもそうした関係かもしれない。)また祠の屋根についていた猫のような造作は、実は寅であり、祠が寅年に建てられたため、そのような造作を施したという。ご自宅の床の間には、祠の寅に良く似た陶製の寅の置物が置かれていた。

※4)「タイルとホコラとツーリズム展」Gallery PARC 2014年 http://urx.nu/dq5G


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