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アーカイヴと再制作

修復・再制作プロジェクトにエンジニアとして関わった3人による対談:第3回(全3回)―遺し方に関する8つの議論対談:古舘健×三原聡一郎×白石晃一

2019 11 27

15. 未来に投げかける~地中に埋められたエンジン~

(白石)
我々は『水中エンジン』の再制作にあたって2つの『水中エンジン』を作っています。最終的にアートスペース虹で展示したエンジンに関しては、現在水槽と共に兵庫県立美術館へ預けられているのですが、小山市立車屋美術館で展示をしたエンジンは國府のご実家の庭に埋めさせてもらいました。当時実家に集まったメンバー同士で「2031年に掘り起こす」という約束をしている。
2つのエンジンを未来に残すために、別々の方法をとることで我々は、我々がやったことを「唯一の正しい歴史」ではなく、パラレルなものとして位置付け、「色々な人たちが國府理作品を解釈していい」ということを示したかった。庭に埋めるというのは遠藤の提案だったのですが、僕はこれを英断だと思っています。14年後というのは、國府が地中に埋めたエンジンを14年後に掘り返し、展示した『地中時間』という作品に準えています。
「2031年に掘り起こす」という約束だけして、掘り起こしたエンジンをどうするかは14年後その場にいた人たちに任せようということにしています。「未来に投げかけてみましょう」と。

(三原)
エイリアス ※5 のような感じでおもしろいですよね。そういうのはありかもね。

(白石)
その時に重要になるのが、『LOVERS』の修復で制作したようなスコア。スコアの在り方というのも色々あるんだろうなと思っていて。

(古舘)
『水中エンジン』の再制作プロジェクトにはやっぱりロマンをすごく感じる。解釈の余地を本当に大きくとっている。掘り返してそのエンジンをかけるんですか?

(白石)
状態を見てからでしょうね(笑)。

(古舘)
正にナウシカですよね。ナウシカの世界では、エンジンを作る技術が失われた世界でエンジンが発掘されます。相当錆びてたりするんだろうけど、かかったら感動するだろうな。

國府理『地中時間』(1993-2007) 撮影:豊永政史
國府理『地中時間』(1993-2007) 撮影:豊永政史

※5 「エイリアスとは、偽名、別名、通称などの意味を持つ英単語。ITの分野では、ファイルなどの実体を別の名前で参照するためのシンボルといった意味で使われることが多い。」(“エイリアス”.ウィキペディア日本語版.参照2019-10-06.)

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