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KYOTO HAUSで実践 〜表現と開発と遠隔をセットで考える取り組み〜文:毛原大樹(KYOTO HAUS ディレクター)

2020 05 12

KYOTO HAUSは、アートやデザインに応用されるインタラクティブ・メディアの研究/開発をおこなうフリーランスのクリエイター/アーティスト/エンジニアの集まり。拠点となる築140年の京町屋(HAUS)には先進的なデジタル・ファブリケーション機材が設置されており、また新型コロナウィルス感染症の拡大以前からテレワーク環境を整備するなど、未来を見据えた環境作りのもと、創造的なコミュニケーションが行われている。ディレクターの毛原大樹さんに活動のテーマ、設備・環境、そしてKYOTO HAUSが目指すことについてご寄稿いただいた。

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KYOTO HAUSは、アートやデザインに応用されるインタラクティブ・メディアの研究/開発をおこなうフリーランスのクリエイター/アーティスト/エンジニアの集まりです。築140年の町屋(HAUS)がアイコンです。

1F:手前がWORKSHOP ROOM、奥がTELEPATHY ROOM。
1F:手前がWORKSHOP ROOM、奥がTELEPATHY ROOM。
2F:WORKING ROOM
2F:WORKING ROOM

活動について主に二つのキーワードがあります。ひとつは、「プロトタイピング」。もうひとつは、「‘TELEPATHY’(テレパシー)」です。このふたつを融合させた私たちの空間について紹介します。

プロトタイピング

これは表現界隈で聞き慣れない言葉かもしれません。一般的には、エンジニアリングなどの開発過程において、試作品(プロトタイプ)を用いて様々な角度から検証をおこなう行為を指します。

しかし、テクノロジーと共存関係にある近頃の表現制作において、この行為はごく自然なことになってきている印象です。

「KYOTO HAUS」に集うわたしたちは、近い将来にこうなるであろうという創造プロセスの常識を見据えながら、デジタルファブリケーション機材による制作環境づくりを行っています。

写真左:HYPE BOX(透過ディスプレイ) 写真右:Sprout Pro by HP G2(3Dスキャナー一体型PC)
写真左:HYPE BOX(透過ディスプレイ)
写真右:Sprout Pro by HP G2(3Dスキャナー一体型PC)
Anycubic i3(3Dプリンタ)
Anycubic i3(3Dプリンタ)
FABOOL Laser CO2(レーザー加工機)
FABOOL Laser CO2(レーザー加工機)
TシャツくんPRO(シルクスクリーン製版機)
TシャツくんPRO(シルクスクリーン製版機)

思いついたら “まず先に作ってみる” という最初のハードルを少しでも低くするためにレーザー加工機/3Dプリンタ/3Dスキャナ/シルクスクリーン製版機などを駆使し “創りながらつくる” つまりプロトタイピングを実践しています。

DNP電子ペーパー「PRISM™」を使ったKYOTO HAUSサインボード制作
DNP電子ペーパー「PRISM™」を使ったKYOTO HAUSサインボード制作
透過型液晶を応用したウェラブル型ディスプレイのプロトタイプ
透過型液晶を応用したウェラブル型ディスプレイのプロトタイプ
バッテリー内蔵型、小型ラジオ送信機のプロトタイプ
バッテリー内蔵型、小型ラジオ送信機のプロトタイプ

試行錯誤して技術的な解決方法を見出しながら前に進む様子はたとえデジタルを活用していたとしてもとてもフィジカルな側面が大きいです。さらに付け加えると3Dプリンタやレーザー加工機などは、微調整との戦いでもあり割とフィジカルな感覚を必要とします。こうした作業を介して作者はいろんなことを調べ知見を獲得していきます。そして、その制作過程に興味を持った人とのコミュニケーションが生まれます。

現に私はメンバーが面白そうなデバイスを作っていたらついつい話しかけてしまいます。KYOTO HAUSではそうしたことをきっかけに思わぬ立ち話でお互い止まらなくなることがしばしば発生します。それはいつも有意義な情報交換の場として機能しています。
KYOTO HAUSが、プロトタイプ(=アイデア)で溢れる空間になればそのコミュニケーションと共に、コミュニティもより充実したものになるでしょう。同じ空間でいろんな分野の人々がなにかを作っているだけで、刺激的なことなのです。

「DISPLAY〜表現する電子表示技術〜」
アート/研究/開発の各分野から“表現者”である人々を招聘。映像表現におけるプロトタイピングについてお話を伺った。OpenHAUSシンポジウム「DISPLAY〜表現する電子表示技術〜」
たくさんの発想と共にコミュニティ空間的創造性に富んだOpenHAUS vol,5『‘TELEPATHY’(テレパシー)』展
たくさんの発想と共にコミュニティ空間的創造性に富んだOpenHAUS vol,5『‘TELEPATHY’(テレパシー)』展

『‘TELEPATHY’(テレパシー)』展の3Dスキャン画像

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