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テクノロジー

映像芸術祭『MOVING2015』参加作品
『HUMAN EMOTIONS/ヒューマン・エモーションズ』
山城大督インタビュー 前編(財団特別助成イベント連動企画)

2015 02 07

2015年2月6日より、映像芸術祭"MOVING 2015"が始まった。 第2回目となる本プロジェクトでは、全国から映像を扱う新進のアーティスト約30組を招き、 京都芸術センター、 京都シネマ、METRO、アトリエ劇研など9会場で展覧会やイベントがおこなわれる。今回は、その期間中にARTZONEにて個展『HUMAN EMOTIONS/ヒューマン・エモーションズ』を開催する山城大督氏へのインタビューである。2013年末にアサヒ・アートスクエアで発表した《VIDERE DECK》を踏まえ、映像に対してどういった問題意識を持っているのか。また、本展ではどういった展開が用意されているのか。その核心に迫る。

聞き手:中原愛奈(京都造形芸術大学 アートプロデュース学科2回生/『HUMAN EMOTIONS』展アシスタント・キュレーター)、堤拓也(ARTZONEディレクター、『HUMAN EMOTIONS』展キュレーター)

構成:山下里加(京都造形芸術大学 アートプロデュース学科准教授/アート・ジャーナリスト)

僕らがまだ見たことにない「社会」が
生まれるかもしれない。

――山城大督さんは、美術家、映像ディレクター、そしてアートユニットNadegata Instant Party(※1)のメンバーとしての活動など、いろいろな活動を展開されています。今回のインタビューでは、美術家としての山城さんにお話をうかがおうと思っています。さっそくですが、ARTZONEでの個展『HUMAN EMOTIONS/ヒューマン・エモーションズ』のタイトルについて教えてください。 直訳すると「人間の感情/喜怒哀楽」です。今回の作品では、人間の様々な感情を扱ってみたいと思ったんです。僕が作品の中で設計する時間のなかで、怒り、悲しみ、喜び、哀れみといった人間の感情をつくり、映像化し、空間化してみようと思いました。

――聞いていると、ストーリーのある映画のようにも思えますが、映画とは違うものでしょうか? まず、撮影素材としての「出来事」を25分間つくります。それは演劇もしくはパフォーマンスと呼べるものかもしれない。登場人物は3人の子どもで、6~7歳の女の子、4~5歳と1歳の男の子を想定しています。今回の展示会場にもなるARTZONEの2階に展示空間と同じようにスタジオセットを配置し、ビデオカメラを数台入れていろんな画角から撮影します。撮影した映像は編集はせずに、展示空間に映像インスタレーションとして配置します。展覧会という場で、観客にひとつの時間を体験してほしいと考えています。

――山城さんの脚本にそって子どもたちが演技をするのですか? だいたいの構成のようなものは用意するつもりです。ただ、子どもたちは何が起こるかは知らない。例えば、女の子がバイオリンを弾いたり、そこにおとなのミュージシャンが入って一緒に演奏するかもしれない。おばあさんが子どもたちに読み聞かせしたり、3人でジェンガをしたり。指人形で何かを演じるようなシーンもあるかもしれない。そういういくつかのシチュエーションが脚本のようなもので、その空間と時間のなかで子どもたちはいろんな動きやいろんな感情をみせるでしょう。それを映像で記録していきます。

『HUMAN EMOTIONS』スケッチ

『HUMAN EMOTIONS』スケッチ

※1)中崎透、山城大督、野田智子の3名で構成されるアーティストユニット。2006年より活動を開始。地域コミュニティにコミットし、人々を巻き込み出来事を起こしてきた。出来事を起こす過程で人々の間にうまれる関係性を作品として、映像ドキュメントや演劇的手法、インスタレーションなどを組み合わせながら作品を展開している。


山城 大督 YAMASHIRO Daisuke
(美術家、映像ディレクター)

山城 大督 YAMASHIRO Daisuke

美術家・ドキュメント・コーディネーター。1983年大阪生まれ。岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)修了、京都造形芸術大学芸術学部卒業、山口情報芸術センター[YCAM]エデュケーターを経て、東京藝術大学映像研究科博士後期課程。映像の時間概念を空間やプロジェクトへ展開し、その場でしか体験できない《時間》を作品として制作する。2013 年には個人として1 年間に渡って映像表現を再考する「東京映像芸術実験室」を実施。本企画より誕生した作品『VIDERE DECK/イデア・デッキ』が第18 回文化庁メディア芸術祭アート部門審査委員会推薦作品に選出された。2007年よりアーティスト・コレクティブ「Nadegata Instant Party(中崎透+山城大督+野田智子)」を結成し、他者を介入させ出来事そのものを作品とするプロジェクトを全国各地で発表している。

映像芸術祭"MOVING 2105"公式サイト
http://www.moving-kyoto.jp

山城大督 公式サイト
http://the.yamashirostudio.jp

ARTZONE 公式サイト
http://artzone.jp


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