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音楽と世界―共感覚的に接続する(英訳収録)寄稿:井浦崇+大島幸代(アーティスト)

2014 01 13

サウンドとビジュアルの融合による共感覚的な表現を軸としたスタイルで、インスタレーションなどを制作するアーティスト・ユニット 井浦崇+大島幸代。今回は井浦氏、大島氏に近年の作品と、それらの作品に通底する制作理念をご紹介いただいた。

寄稿:井浦崇+大島幸代(アーティスト)
英訳:hanare

私たちの作品は音楽からインスタレーションまで多岐に渡ります。京都市立芸術大学在学中に、構想設計という表現技法の制約がない専攻で映像作品を作り始めて、その後作曲・サウンドデザインなどへ制作の幅を拡げていきました。音楽とは何か、視覚的な要素と音楽的な要素がどのように結びつくと面白いのか、そしてそれは今、どのように価値づけられるか―といったテーマで作品制作をしています。

共同制作を始めたのは2004年以降です。Otograph(オトグラフ)という名前で音楽制作を中心に活動しました。Otographとは、サウンド(oto=音響)とビジュアル(graph=絵画、映像など)表現の融合を表す造語です。私たちは美術科に在籍していましたが、それぞれが既に音楽の技術を持っていたので、自然と共感覚の概念に関心を持ちました。

ここで、共感覚について補足しておきたいと思います。共感覚とは本来、異なる感覚のインプットとアウトプットが混線することによって起こる感覚現象(例えば色を見て音を感じる、音楽から色をイメージするなど)ですが、感覚のオートマティックな置き換えだけではクリエイティヴな表現にはなりません。私たちの関心は、様々なイメージを結びつける感性と技術で、これまで知覚できなかった何かを表出させるような共感覚的表現にありました。

現在は映像と音響の両方を扱う作家が少なくありませんが、Otographとして制作を始めた当時は珍しく、共感覚をテーマとしている例はまだなかったように思います。デジタルベースの制作環境が整ったことで、音響と画像をビット情報に変換することが容易になり、二つの要素を同時に扱うことが可能になってきた時期でした。「見えるものと聴こえるものを結ぶ感性で世界を捉えた時、これまで知覚できなかった何かを表出させることができるのでは」と考えていました。

当初は形や色と音響との純粋な関係性をテーマにしていました。自分たちの興味が音そのものだけではなく、音楽や音楽的なものに移ってからは、人間をとりまく環境を解析して作ったものと現実のものを対比させて制作しています。というのは、音楽の性質―組織化された音の展開―は、特に自然現象とのつながりがあると感じたからです。現在は、音楽の持つ時間的特性に対応するものとして、植物の生長をテーマに取り入れています。植物の生命活動のシステム、人間とは異なる時間感覚は、作品に感覚同士の置き換えだけでは得られない複雑性や偶然性を与えてくれると考えています。
(こういった美術作品については「井浦崇+大島幸代」の名前で発表しています)

次に、近作からインスタレーション展示を行った順に抜粋してご紹介します。


井浦 崇 + 大島 幸代
Takashi IURA + Sachiyo OSHIMA

井浦 崇 + 大島 幸代

2004年より共同制作を始める。ギャラリーなどでのインスタレーション展示の他、Otograph(オトグラフ)としてオーディオ/ビジュアルライブパフォーマンスを行っている。2008年、PlayStation3ゲームのために制作したサウンドトラックは、PlayStation Networkでワールドリリースされた最初のオーディオアルバムになった。

井浦 崇 Takashi IURA
京都府生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科博士課程学位取得。現在、関西大学総合情報学部准教授。

大島幸代 Sachiyo OSHIMA
兵庫県生まれ。京都市立芸術大学美術学部構想設計卒。現在、関西大学総合情報学部非常勤講師。

Otograph WEBサイト
http://www.otograph.net


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