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タイガークエスト
-ロッテルダム国際映画祭体験記-澤 隆志(映像作家、キュレーター)

2013 02 28

国内外の国際映画祭、美術館などに映像作品のプログラムを提供する澤 隆志氏に、2013年1月23日~2月3日の期間、オランダで開催された、ロッテルダム国際映画祭のレポートをご寄稿いただいた。

ロッテルダム国際映画祭 会場風景

ロッテルダム国際映画祭 会場風景

僕は映画祭や美術展に作品プログラムを提供するような仕事をしている。映像も市場に出る商品なので、野菜と同じように鮮度が大事。でも野菜とちがって命に関わるものではないため、何があっても必要とされる訳ではないかわりに、新しい味(感覚)への希求は強く、サイクルも早い。いわゆる映画祭とはそのショーケースとして機能していて、世界各国の「こうありたい」や「こうであった」や「こうかも?」に触れる好機といえる。

ロッテルダム国際映画祭(International Film Festival Rotterdam, IFFR)はカンヌやヴェネチアやベルリンのような大きな映画祭の一つではあるが、長編映画に与える賞(タイガー・アワードと呼ばれる。映画祭マスコットは虎)の対象が新人だったり(クリストファー・ノーランは「フォロウイング」で、ホン・サンスは「豚が井戸に落ちた日」で受賞)、革新的な短編プログラムが充実していて、やがて劇場公開するようなものだけではない種々雑多な作品が高バランスでプログラムされている。展示作品やライブ・パフォーマンスも多い。
僕はほとんどの時間を実験的な短編作品の鑑賞に費やしたので、ここで触れるものはそういうものが多くなり、この巨大な映画祭の一面でしかない事をご容赦いただきたい。

映画祭の主な機能は、まずお客さんが作品を見る事。それからディレクターどうしの情報交換。そこで見た作品だけではなく、会ったその場で互いの持ち駒をやりとりしている。また、製作者にとっては配給先、セールス会社を探す場所でもあり、ロッテルダムが元祖と言われるCinemartという名の企画マーケットがある。
こういう場で理想と現実がお見合いをしているのだ。また、ロッテルダム自身もHubert Bals Fundという助成基金を設置しており、欧米以外の国々に制作機会を提供している。


澤隆志 SAWA Takashi

澤隆志 SAWA Takashi

1971年生まれ。中央大学文学部仏文学科卒業。映像作家、キュレーター。2001年から2010年まで、映像アートの国内巡回上映展「イメージフォーラム・フェスティバル」のプログラムディレクター。また、ロッテルダム、ベルリン、バンクーバー、ロカルノ等の国際映画祭や、愛知芸術文化センター、横浜美術館等にプログラム提供。

イメージフォーラム
http://www.imageforum.co.jp/

Japan Image Council
http://japic.jp/


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