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TECHNOLOGY

テクノロジー

AR(Augmented Reality=拡張現実)を実現する技術文:亀山 悦治(Knowledge Works/RIAソリューション事業部 事業部長)

2010 03 01

ARを実現するマーカーについて

ARで多く利用されているマーカーは、QRコードのような形状をした四角く黒いものが多い。予め印刷して配布するか、ユーザー自身がWEBサイトからPDF等で入手できるよう印刷して使用してもらう形式が多い。マーカーを使用しないでARを実現する方式も存在する。マーカー、マーカーレスという言葉でも異なる意味で使われている場合がある。それらも含めてその種類と概要について説明する。

白黒の四角い形状

多くのARがこの方式を使用しており、「マーカー」と呼ばれていいる。QRコードとの違いを良く質問されるが、QRコードとは用途が大きく異なる。白黒の四角いマーカーをコンピュータが認識する場合の情報は比較的曖昧だ。マーカーの内部の文字に「Hiro」「人」等が例としてある。この中の文字は極端に言えば何でも良い。重要なのは左右非対称であること、外枠と内枠の白と黒が適切な比率になっていることである。マーカーの真上にオブジェクトを表示している事例が多いが、必ずしも上でなくても良い。マーカの或る位置から相対的な場所を設定しておけば、マーカー外側に表示することも可能である。この白黒マーカーを予め配布物に印刷しておかなければならない点については、事前の準備が必要だ。しかし、写真や絵の認識に比べると、情報が単純な分だけ読み取り速度が早い。
ARToolworksのソリューション、AR-Media、metaioの一部のソリューション等で利用されている。

写真や絵

カタログや、パンフレットなどの写真や絵そのものをマーカーにするタイプ。「マーカーレス」と呼ばれることが多いが、後に説明する「形状を自動認識」が完全な意味での「マーカーレス」と呼ばれることもある。既に印刷されている配布物をそのままマーカーにすることが可能であるため、特別な印刷領域が必要なく、自然な形で提供することが出来る。また、写真や絵の特定の位置のみを複数認識されることが出来るため、様々な使用方法が実現出来る。自動車カタログ等で、色を指で押さえると色を変えるという方法はこの応用である。このようにインタラクティブなARを実現させることも容易に実点できる。 Total Immersion、metaio、SREngine などで採用されている。

形状を自動認識

Webカメラで映された様々な変化を情報として読み取り、それをマーカーとして利用する本当の意味で「マーカーレス」いえる方式だ。実世界の中に、特別なマーカーを配置しなくて良い。電脳コイルの世界に近づけるなら、この技術が適切かもしれない。表示されている全ての情報を随時読み取って解析した上で、オブジェクトを重ね合わせるため、自由度が高いARが実現出来る。その分、高度な実装技術が必だ。 金村氏が取り組んだ、街中の建造物をリアルタイム認識するiPhoneのFaLLen/SREngineもこの方式を採用していると思われる。

顔認識

Webカメラがで映しだされた顔の外郭、目、耳の位置等を自動認識し、それらをマーカーとするタイプである。最近のカメラには人の顔を自動認識する製品が増えているが、そのようなイメージと思ってもらいたい。人の顔がモニターに映し出された際、頭の部分に帽子を被せる、メガネをかける、メイクをする等のシミュレーションを行うことが可能となる。

カラー認識

Webカメラで読み取った情報の色を解析し、その色を映しだされた映像の場所に情報を付加して表示することが可能となる。色を取り扱うARアプリ、形状認識が出来ないタイプの開発キットで、形状の代わりに色で対処することでも用途がある。映画東のエデンの「エデンシステム」では、色をマーカーとして使用している。また、iPhoneアプリではWebカラーを調べることが出来るアプリGetColorsARが無料で利用出来る。

位置情報と方角(物理的なマーカーは使用しない)

iPhoneやAndroid携帯等に搭載がされている6軸センサーを使用する方式だ。6軸センサーは3軸の加速度センサーと2軸の地磁気センサー(電子コンパス)を組み合わせたもの。2010年時2月時点では、6軸センサーを組み込んでいる端末は多くないため、利用出来る機種が限られてしまうが、今後は増加していくことが期待できる。この技術は、「セカイカメラ」「Layar」「Wikitude」などで採用されている。

立体物をマーカーとした認識

Webカメラで、オブジェクトを認識させる場合は、マーカーにしたい写真や絵を1枚認識させておけば良いが、立体的な建造物や自動車などであれば、様々な確度から映される場合がある。その場合、今までは対応が出来なかったが、metaio等ではその立体オブジェクトの写真を様々な確度から撮影した画像を予め認識登録させておくことで、立体物そのものをどこから映しても認識されるような仕組みを実現した。まだ具体的な活用事例は見受けられないが、街中やシミュレーションなど様々な場面で使用できそうだ。

単独マーカーと複数認識

マーカーを使用するARに関する補足。1つのマーカーのみを認識するARでは、1つ以上の同一のマーカーをカメラに映した場合、先に検知されたマーカー1つのみが有効となる。2つ以上のマーカーを認識させたい場合は、使用するツールも変わってくるため使い分けることが必要だ。metaioの開発ツールであれば、予め複数マーカーを認識するための機能が備わっている。 複数マーカーを使用する場面としては、対戦型のARカードゲーム等が有る。


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