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EVENT REPORT

イベント・レポート

京都芸術センター開設20周年記念「We Age(展覧会)」文・撮影:松尾 惠(MATSUO MEGUMI + VOICE GALLERY pfs/w)

2020 10 07

この4月に開設20周年を迎えた京都芸術センターの年間テーマは、"We age"。「誰もが歳をとる」ことにあらためて向きあうべく、65歳以上を対象にロック、映像、ファッション、パフォーマンスを公募した。若手支援を中心的活動とする同センターでは、初の試みであり、本展は、応募作品から選ばれた展示プランの実施。(「We Age〔パフォーマンス〕」詳細はこちら

普段と様子が違う会場。若手作家の散らかったカッコ良さの代わりに、各作家の沸騰寸前のような緊張感がある。65年以上生きるということは、自身のバリアが多面体の世界とコミュニケーションの接点になるからかもしれない。本展から感じるのは、老いや終息ではなく、バリアを越境するしたたかさである。

表現者としてキャリアを積んできた人、既存の枠組みと無縁に愉しみや欲求として表現を重ねてきた人など、8作の出展があった。つくるために生きてきた、生きてきたことが像になった作品群である。今年、100歳以上が8万人を超えたそうだ。それからみれば65歳は次世代だ。They never dieなのである。

まだ得たものが少ないがため時間が緩慢に感じられた20代の頃、自分は永遠に歳をとらないのではないかと思った。が、そのうち、視力や体力が変化することを知る。とはいえ、何かが消え得意が苦手に変わるのは退化ではなく、進化なのかもしれないと、都合よく考えるようになった。歳を重ねるというのは、脳のシワが伸び隙間ができることかもしれないが、心のヒダは確実に増えていくのである。機能が狭まっただけ、感性の純度は上がるのではないか。出展者の略歴については京都芸術センターHPを参照していただき、さまざまな屈託あるいは希望に心を射られた展示作品タイトルのいくつかを記しておきたい。坂井存<団塊の危機的状況実演ー思い荷物ー>、森芳仁<脳内時空をテーマとした実験映像>、ナミキ・キヨタカ<NO EXHIBITION NO LIFE>。

坂井 存「団塊の危機的状況実演ー重い荷物ー」
坂井 存「団塊の危機的状況実演ー重い荷物ー」パフォーマンス(写真提供:京都芸術センター)
笹埜能史「Vaulting Cajon」
笹埜能史「Vaulting Cajon」
ナミキ・キヨタカ「NO EXHIBITION NO LIFE」 寺田 豊×伴野久美子「日常⇔非日常 ”京絞り“の試み」
写真左:ナミキ・キヨタカ「NO EXHIBITION NO LIFE」
写真右:寺田 豊×伴野久美子「日常⇔非日常 “京絞り”の試み」
寺田 豊×伴野久美子「日常⇔非日常 ”京絞り“の試み」
寺田 豊×伴野久美子「日常⇔非日常 “京絞りの試み”」パフォーマンス(写真提供:京都芸術センター)
マヤコフ・エイジ「増殖するオブジェ」 
マヤコフ・エイジ「増殖するオブジェ」 

京都芸術センター開設20周年記念「We Age(展覧会)」

会期 2020年9月5日(土)~10月4日(日) 10:00~20:00
会期中無休
※9月21・22日は「We Age〔パフォーマンス〕」(講堂・フリースペース)
会場 京都芸術センター ギャラリー北・南、ほか
出展作家 五山智博×白壁レディース、倉本直治、坂井 存、笹埜能史、寺田 豊×伴野久美子、ナミキ・キヨタカ、マヤコフ・エイジ、森 芳仁
主催 京都芸術センター
〒604-8156 京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2
TEL: 075-213-1000 FAX: 075-213-1004
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