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特集

世界を信じるための映画 『ギ・あいうえおス 他山の石を以って己の玉を磨くべし』
インタビュー:柴田剛
ゲスト・インタビュアー:山城大督

2017 05 16

『おそいひと』『堀川中立売』などで、国内外の賞を受賞してきた映画監督 柴田剛の、7年ぶりとなる新作映画『ギ・あいうえおス 他山の石を以って己の玉を磨くべし』。この映画は空に浮かぶ謎の発光体を追ったロードムービーだ。本記事では、同映画のチャレンジングな制作手法、柴田氏が謎の発光体を追うきっかけとなった出来事やそのモチベーションなど、様々なお話を伺った。きっかけやモチベーションの話では、この映画のテーマでもある「3.11以降における“信じる“ということに対する柴田氏の意志」にも話題が及んでいる。

ゲスト・インタビュアー:山城大督(美術家、映像ディレクター)

インタビュアー・編集:中本真生(UNGLOBAL STUDIO KYOTO)

インタビュー撮影:表恒匡

『ギ・あいうえおス 他山の石を以って己の玉を磨くべし』(trailer)

『おそいひと』『堀川中立売』などで、国内外の賞を受賞してきた映画監督 柴田剛の、7年ぶりとなる新作映画『ギ・あいうえおス 他山の石を以って己の玉を磨くべし』。

この映画は空に浮かぶ謎の発光体を追ったロードムービーで、道中にその場その場で起きた出来事(アクシデント)、それに対する現実のそのままのリアクションを記録した素材を、ほとんど順序を変えずに編集するという、シンプル且つ映画としてはチャレンジングな手法で制作されている(この手法は柴田氏によって「原点回帰」と定義されている)。

また撮影クルー(スタッフ)が登場人物(キャスト)である、つまり撮影クルーが自分たち自身にカメラ・マイクを向けているという点においても「実際のスタッフが画の中に入り込んでいる」「各スタッフが二つの目的を同時進行しなくてはいけない」といった点などで特徴的と言える。

本記事では、その手法や、その手法を実現するための撮影に関する話、撮影・編集方法に関するアイデアの根底にあるもの、そして柴田氏が謎の発光体を追うきっかけとなった出来事やそのモチベーションなど、様々なお話を伺った。中でもきっかけやモチベーションの話では、この映画のテーマでもある「3.11以降における“信じる“ということに対する柴田氏の意志」にも話題が及んでいる。

今回、より広い視野でこの映画を評価するため、そして映画について語ることによって生まれる言葉に焦点を当てるため、ゲスト・インタビュアーとして、映像の境界を扱いながらインスタレーションを展開する山城大督(美術家、映像ディレクター)が参加している。

目次

  1. 経緯と試み
  2. 出来事(アクシデント)の撮影を実現するチームワークとカメラワーク
  3. 自然発生的に起こった出来事を収めていく
  4. 二つの目的を同時進行する
  5. 原点回帰の映画
  6. 「信じる」ということをやってみる
  7. 謎の発光体の目撃体験と時代の空気
  8. 世界を受け入れるための工夫

作品・上映情報


柴田剛 SHIBATA Go

柴田剛 SHIBATA Go

1975年生まれ。映画監督。代表作『おそいひと』『堀川中立売』では国内外の賞を受賞。MVや映像作品も発表している。平成22年度愛知芸術文化センター・オリジナル映像作品の制作作家に選出され『ギ・あいうえお ス ―ずばぬけたかえうた―』を制作。
TOY FILM PROJECT( 玩具映画及び映画復元プロジェクト )に参加。
主な受賞・出品に2005年 ハワイ国際映画祭 Dream Digital Award 受賞、第5回東京フィルメックス コンペティション 部門出品、2009年 ドイツ・フランクフルト日本映画祭(NIPPON CONNECTION 2011) NIPPON VISIONS AWARD(最優秀賞)受賞、第10回東京フィルメックス コンペティション部門出品などがある。

映画監督 柴田剛 公式サイト
http://www.shibatago.com/


山城 大督 YAMASHIRO Daisuke
(美術家、映像ディレクター)

山城 大督 YAMASHIRO Daisuke

美術家・ドキュメント・コーディネーター。1983年大阪生まれ。岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)修了、京都造形芸術大学芸術学部卒業、山口情報芸術センター[YCAM]エデュケーターを経て、東京藝術大学映像研究科博士後期課程。映像の時間概念を空間やプロジェクトへ展開し、その場でしか体験できない《時間》を作品として制作する。2013年には個人として1年間に渡って映像表現を再考する「東京映像芸術実験室」を実施。本企画より誕生した作品『VIDERE DECK/イデア・デッキ』が第18回文化庁メディア芸術祭アート部門審査委員会推薦作品に選出された。2007年よりアーティスト・コレクティブ「Nadegata Instant Party(中崎透+山城大督+野田智子)」を結成し、他者を介入させ出来事そのものを作品とするプロジェクトを全国各地で発表している。

山城大督 公式サイト
http://the.yamashirostudio.jp


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