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特集

世界を信じるための映画 『ギ・あいうえおス 他山の石を以って己の玉を磨くべし』
インタビュー:柴田剛
ゲスト・インタビュアー:山城大督

2017 05 16

5. 原点回帰の映画

――撮影・編集方法に関するアイデアは、どういうところから来ているのでしょうか。

(柴田)
例えば、子供がカメラを回して映画を撮るとします。本当に初期には、きっと「映った!」「撮れてる!」という感動のままに、ストレートに撮ったものをつなげていくだけだと思うんです。編集っていう感覚はその次に始まるわけです。「撮ってきたものをそのまんまつなげるんじゃなくて順序をいじれるんだ」「昨日撮ったものを最初に、今日撮ったものを後に並べる必要がない」と気付いていく。今回は順撮りで撮って、最後にほとんど順序を変えずに短く詰めるという編集をしています。一番最初にカメラを持って映画を作ろうとしたときの初動…「ギ・あいうえおス」ではそこに原点回帰したいなと思ったんです。なかなかやれるチャンスがないじゃないですか。一本の映画を作ろうとすると、普通は企画書を用意して、プロットを書き上げて、脚本を叩きあげていって、そこから脚本の専門家に見てもらい、商業的に価値があるかどうかというプロデューサーの判断が入り…というふうに、クランクインまでの手続きがすごく多い。そこをすっ飛ばすと、撮る人も映っている人の一人になったりするでしょ?あの感覚ですよね。リスクもあるんですけどね。

――リスクというのは?

(柴田)
僕が負っているリスクは「自由すぎる」ということ。いわゆる一般的な映画を期待している人や、映画業界の人たちは「これは映画じゃない」って言って、怒って帰っちゃうんじゃないかなと。そういう悪い予想もしました。実際に『ギ・あいうえおス -ずばぬけたかえうた-』の上映のときに、「自由すぎるぞ!」って大きな声で言われたことがある。

インタビュー風景
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