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京都に「ICOM」が やってくる!第3回:ICOM スアイ・アクソイ会長に聞く

2018 11 21

全世界の美術館・博物館からプロフェッショナルが集まる「ICOM(国際博物館会議)」が、2019年に京都で開催される。AMeeTでは、日本で初開催となるこの国際会議の開催を記念して、数回にわたって特集を掲載。今回は秋に来日したICOMのスアイ・アクソイ会長に取材し、ICOMの最近の活動内容や京都でICOM大会を開催するにあたっての想いを伺った。

取材・編集:杉谷紗香(piknik)/訳・執筆:大西晶子

世界の知識を備えた組織

世界各地で多彩な活動を行っている「ICOM」。そんな世界の専門家を束ねる組織の会長ってどんな人? 今年9月末に来日したスアイ・アクソイ会長へのインタビュー。

――まず、ICOMの世界的な活動の中で、特にいま、力を注いでいることは何でしょうか?

いくつかありますが、ひとつは「サスティナビリティ(持続可能性)」です。持続可能な未来の実現は、国際社会の大きな課題です。私たちはサスティナビリティ・ワーキンググループを立ち上げ、この問題にどう向き合うかを考えています。気候変動だけでなく、経済や社会を含んださまざまな問題がありますが、特に自然災害の影響は大きく、それに対する危機管理は重要です。
ICOMでは、世界で起こっている課題について、ICOMが専門家の視点で何ができるかということを多面的に考え、数多くのアプローチを検討しています。
このサスティナビリティ・ワーキンググループは、「ICOM舞鶴ミーティング2018」でも研究発表を行ったノルウェーのモリエン・リース氏を中心に世界各地のメンバーから構成されていて、ICOM京都大会においても提言を行う予定です。

次に、「キャパシティ・ビルディング(能力開発)」です。ICOMでは、専門家の人材育成が非常に重要だと考えています。具体的には、アルジェリア、イラン、ラテンアメリカなどで、文化遺産の保護と振興を支援するトレーニングプログラムを行っています。
私自身もトルコを拠点に、博物館や文化遺産にまつわる専門家として活動していますが、世界の文化遺産を守るため、各地で積極的に専門家の育成に力を入れています。

そして、「リコロニゼーション(再植民地化)」です。特に、ヨーロッパやアメリカで最近話題になっていますが、博物館として何ができるのかを考えていく必要性がありますね。
リコロニゼーションで問題となっている、先住民族の文化遺産の管理や返還についてや、国の背負う歴史をどう解釈し提示するのかというのは、各国それぞれにケースが多様にある、現在進行形の課題ともいえます。
だからこそ、インターナショナル規模で現場の専門家がさまざまなケースを共有し、議論する場として、ICOMは重要な役割を担っていると感じています。

インタビューに答えるICOMスアイ・アクソイ会長
京都国立博物館内のICOM京都大会準備室にて、インタビューに答えるICOMスアイ・アクソイ会長。
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