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京都 Underground Hip-Hopシーンを代表するビートメイカー 後半インタビュー:M.A(BONG BROS)

2019 09 19

6. 80'sヴィンテージ・サンプラーによるアナログ・サンプリングのみでのビートメイク

――M.Aのビートメイクにおけるもう一つの重要な特徴として、80'sヴィンテージ・サンプラー(AKAI MPC 3000とE-MU SP 1200)を使用して、アナログ・サンプリングだけで制作してるということがある。

M.Aが実際に使用しているE-MU SP 1200。
M.Aが実際に使用しているE-MU SP 1200。

(M.A)
SP 1200はHip-Hopやってる人だったらみんな知ってるような機材。ドラムだけで使う人は世界には何人かいると思う。けど、1台でビートメイクを完結してるやつは俺だけだと思ってる。

――現在はハードウェア・サンプラーを使用している人でも、PCとリンクさせて制作するのが主流よね。MPC 3000もSP 1200も、当然ながらPCとのリンクができない。

(M.A)
SP 1200は本当に使えたもんじゃない(笑)。ビートメイカーでもあれはなかなか使えない。

(MOMIO)
使い始めた頃にも同じこと言ってたわ(笑)。

――録音できる時間が短いとか、そういう不自由があるから?

(M.A)
それもめっちゃある。10秒しか録音できないからキック・スネア・ハイハットを1秒ずつ入れたらもう残り7秒になる。そこからさらに1秒の上ネタを5つ入れたら、残り2秒でベースを作らなあかん。残り時間を計算しながら作らないといけないし、音圧もターンテーブルで揃えないといけない。そんなんする人いいひんやん。みんなPCでやるから。

(P.E)
その諸問題をクリアしてようまとめてるなと思う。

――そういった不自由もあるヴィンテージ・サンプラーで、あえて作り続ける理由は?

(P.E)
実際にSP 1200で作った曲を、クラブとかででかい音で聴いたらすごいねんな。

(M.A)
めちゃいい。結局そうやな。環境変えるのが面倒っていうこともあるけど、これでしか出せへん気持ちよさがあるから使ってる。15年くらい前、まだBONG BROSをやる前にみんなにビートを渡しはじめた頃、主流の方法で作ってたことがあるんやけど、その時から「デジタルの音が自分の音じゃないな」というのはあった。かっこええねんけど...クリアで今っぽいというか。そもそも向いてなかった。
土臭い、人間臭い環境でやってる方が楽しんやと思う。例えば素材探しに行くときでも、絶対レコ屋いかなあかんと思ってる。10年くらい通ってたらレコ屋の店主と仲良くなって…そういうのも楽しんやろな。レコ屋の店主はいい盤を集める素材のスペシャリストやと思うし、だからそこは絶体的に信頼してる。レコ屋いいよなぁ。やっぱ渋いんよねオーナーが。普通じゃないというか。みんな癖があって、プライド持ってるというか。自分のセンスに自信もってはる人らやなぁ。京都は中古のレコ屋いっぱいあるから、そこに通うのがルーティーンになってる。1人でネットで素材探してる人も多いんやけど、やっぱレコ屋通ってるほうが本格的よな。

(P.E)
音楽的な造詣も深まるよな。人に教えてもらって知る情報も重要やったりするし。

(M.A)
それだけは妥協なく。音作りだけは絶対にちゃんと足を運んでやらなあかんと思ってる。

M.A
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