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空間現代+古舘健 展覧会「群れ」バンドとアーティスト/エンジニアによる共同制作インタビュー:空間現代、古舘健

2019 10 01

編集・複製・反復・エラー的な発想で制作された楽曲を、スリーピースバンドの形態で演奏する空間現代と、Dumb Typeでも活動するアーティスト/ミュージシャン/エンジニアである古舘健による展覧会「群れ」(2019年8月30日[金]~10月13日[日]、haku[京都])。空間現代による初のビジュアルアート、バンドとアーティスト/エンジニアという稀な組み合わせ等、様々な面においてチャレンジングな同展について、空間現代の野口順哉氏、古谷野慶輔氏、山田英晶氏と、古舘健氏にインタビューを行った。全展示作品のアイデアの解説他、「空間現代の空間現代性」といった、より本質的な話にも話題が及んでいる。

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インタビュアー・編集:中本真生(UNGLOBAL STUDIO KYOTO)
インタビュー・展示撮影 ※1 :井上嘉和

1. 経緯~空間現代をモチーフにする

――どういう経緯でこのコラボレーションが実現したのでしょうか。

(古谷野)
hakuには、以前から「空間現代に展示をしてほしい」というお話をいただいていました。でも自分たちはバンドなので展示作品を空間現代だけで作るのは難しい。返答を保留にしている時、偶然、イベント ※2 に誘っていただいたり、「外」 ※3 のイベント ※4 に出ていただくなど古舘さんとお話しするようになりました。また古舘さんのスピーカーを連ねた作品等を観て「古舘さんとなら何かやれるかもしれない」と思い、こちらからお声掛けしました。

古舘による300台を越えるスピーカーとLEDライトを使用した大規模なサウンドインスタレーション『Pulses/Grains/Phase/Moiré』。

――空間現代はこれまでに展示という形で作品をアウトプットしたことはあったのでしょうか。

(野口)
外でcontact Gonzoと一緒にパフォーマンスをして、その時に録音した音を再構成したうえで、サウンドインスタレーションとして展示したことはあります ※5 。でもその時はあくまでパフォーマンスがメインでその痕跡として展示したので、今回のようにゼロからというのは初めてです。

(古谷野)
僕らの場合、肉体が無くなった時に見せるものがない。そこから何を考えられるのかというのは難しいところで...。

――始めに両者間でどのような話し合いがもたれましたか。

(古谷野)
自分たちが今年出した『Palm』 ※6 というアルバムを起点にして考えてみようかという話になりました。

『Palm』の1曲目に収録されている「Singou」。「全感覚祭2018」での演奏より。

(古舘)
僕の場合、「空間現代の音楽の構造を抽象化することで作品ができるんじゃないか」ということを最初に思い付きました。

――空間現代のエッセンスを抽出して観せようということは、割と早いタイミングでイメージとしていたということですね。

(古舘)
そうですね。

(野口)
最初に古舘さんが空間現代分析を書いて送ってくれたんですよね。それがおもしろくて。

――アイデアに関しては、どちらかが一方的にということではなく、互いに意見を出し合ったということなのですよね。

(古谷野)
そうです。何度か話し合いをする中で決めていきました。

(古舘)
たぶん今回のような発想は僕1人だと出てこないかなという気がするんですよね。空間現代というモチーフありきで考えたからこそ出てきたアイデアです。

(野口)
空間現代をモチーフに考えてくれたというのは大きいですよね。

(古舘)
そういう意味ではコンセプトは最初からクリアなんですよ。空間現代をどう空間に落とし込むか。

左から古舘、古谷野、野口、山田
左から古舘、古谷野、野口、山田

※1 2章の4Kモニターの作品の写真除く。

※2 古舘によるキュレーション・空間演出のもと、行われた自身を含めた4組によるサウンドアート公演。詳細は公式サイト参照。
「Hakkoda-maru Sound Art/Festival」 2019年2月10日 青函連絡船メモリアルシップ 八甲田丸(青森) 出演:空間現代、YPY、ASUNA、Ken FURUDATE

※3 「外」は京都市左京区にある、空間現代によるスタジオ/ライブハウス。詳細は公式サイト参照。

※4 2019年4月12日 外(京都) 出演:SUGAI KEN、Ken FURUDATE、Kazumichi Komatsu、DJ 江村幸紀(Em records) http://soto-kyoto.jp/event/190412/

※5 山﨑健太[2018]. “contact Gonzo × 空間現代:artscapeレビュー”.artscape.参照2019-08-31.

※6 2019年5月10日に、Editions Mego傘下の、Sunn O)))のStephen O’Malleyが主宰するレーベルIdeologic Organよりリリースされた3rdアルバム。詳細は空間現代WEBサイトのリリース情報参照。

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