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空間現代+古舘健 展覧会「群れ」バンドとアーティスト/エンジニアによる共同制作インタビュー:空間現代、古舘健

2019 10 01

5. フィルターを設定する

――最後に、レンチキュラーレンズ ※18 を用いた作品について、解説をお願いします。

写真が映されたモニターにレンチキュラーレンズを取り付けた作品
写真が映されたモニターにレンチキュラーレンズを取り付けた作品。鑑賞者が見る角度を変えることで見え方が変わる。
レンチキュラーレンズは、本来そのレンズの目に合わせて合成された画像の上に取り付けることで立体感などの効果を生み出すものだが、この作品ではあえてレンズの目に合っていない画像を用いているため、滲んで見える。

(古舘)
空間現代のアンサンブルの成り立ち方は、それぞれの楽器がそれぞれの領域を侵食していくようなイメージなんですよね。3枚の絵を合成し、レンチキュラーレンズを通して見る。見る角度を徐々に変えて絵が切り替わる、その間の部分、その「あわい」。いくつかの位相が互いに干渉しあっているっていう構造が空間現代的になるんじゃないかというアイデアから、レンチキュラーレンズを使おうという発想に至りました。絵のピクセルのピッチとレンチキュラーレンズのピッチが合っていないので、モアレ状に色が滲んだりするんです。それがけっこうおもしろい。

(野口)
構造があって生演奏するとそれがちょっと変わるとか、結晶の構造を射影すると準結晶になるとか、そういった思考の延長から出てきたアイデアです。レンチキュラーレンズを重ねると見え方が変わる。花の写真だということは認識できても、少なくともレンズを外した時に見える像とは異なっている。

(古谷野)
スピーカーの作品が鑑賞する位置によって聴こえ方が変わるのと一緒で、これも鑑賞する位置によって見え方が変わります。

(野口)
フィルターをどう設定するかというのはみんなで話し合いました。

(古谷野)
一元的じゃないというのは重要だと思っています。

古谷野 慶輔
古谷野 慶輔

※18 表面に小さなかまぼこ状の凸レンズがたくさん並んだシート。レンズの目に合わせて制作されたレンチキュラー画像の表面に取り付けることで、見る角度によって絵柄が変化したり、立体感が得られるといった効果を生み出す。仕組みの解説については以下ページなどを参照。
“レンチキュラー印刷の仕組み”.株式会社マル・ビ.参照2019-09-01.

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