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京都に「ICOM」が やってくる!第5回:ICOMがやって来た!

2019 10 23

アジア美術重視と防災委員会の発足

今回のICOM京都大会は、2004年の韓国・ソウル大会、2010年の中国・上海大会に次いで、アジアで3回目の開催となったが、成果としてあげられるのは、欧米主体となりがちなICOMの活動の中でアジアの存在感が強まったこと。大会4日目には、アジア美術に関するプレナリー・セッションがICOM大会史上初めて実施されるなど、アジアを重視する内容が展開され、大会最終日には大会決議文(Resolutions)の一つに、ICOM日本委員会が提案した「アジア地域のICOMコミュニティへの融合(Commitment to the Integration of Asia into the ICOM Community)」が採決された。

ICOM京都大会「プレナリー・セッション:世界のアジア美術とミュージアム(Plenary Session - Asian Art Museums & Collections around the World)」(ICOM YouTubeチャンネルより)

この大会決議文は、次のICOM大会までの3年にわたってICOMが尊重するもので、各ミュージアムが戦略計画の参考にするという。近年、欧米でジャポニズムや日本美術に関する展覧会が人気を集めている一方で、保存が必要な日本美術の特性への理解がまだ進んでいないという現状もある。ICOM京都大会運営委員長の栗原祐司さんは、「今回の決議文を通して今後、ICOM内でアジア美術に関する新しい委員会の発足につながればとうれしい」と語った。
また、今回の決議文にはICOM日本委員会が提案したもう一つの案「“Museums as Cultural Hubs”の理念の徹底(Commitment to the Concept “Museums as Cultural Hubs”)」も盛り込まれ、ICOM京都大会のテーマ「文化をつなぐミュージアム」が大会参加者へ強く印象付けられることとなった。

今回採択された5つの大会決議文は、ICOM公式サイトで見ることができる。
「Resolutions adopted by the 34th General Assembly of ICOM」

もう一つの大きな成果は、「博物館防災国際委員会」が31番目の国際委員会として発足したことだ。これは、ICOM内の特別な委員会として活動してきた「災害対策委員会(DRMC: Disaster Risk Management Committee)が、今大会中の執行役員会議を経て、「博物館防災国際委員会(ICOM-DRM: Disaster Resilient Museums Committee」に再編することが了承されたため。

大会4日目に開催された「プレナリー・セッション:被災時の博物館」では、DRMC委員長のコリン・ウェグナーさん(アメリカ・スミソニアン機構)が座長を務め、日本からは世界津波博物館会議で中心的役割を果たした小野裕一さん(東北大学教授)が登壇した。日本はこれまで国連防災世界会議や世界津波博物館会議などを開催してきた実績もあり、今後、この分野においてより一層の活躍が期待される。

ICOM京都大会「プレナリー・セッション:被災時の博物館(Plenary Session: Museums in Times of Disaster)」(ICOM YouTubeチャンネルより)

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