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レポート:緊急シンポジウム「京都市による京都駅東南部エリア『都市計画の見直し素案』を考える」

2019 11 12
松尾惠
松尾惠

(松尾)
ヴォイスギャラリー/超京都代表の松尾惠です。私は京都市立芸大が東七条にあった頃に学生で、このあたりは通学路でした。ですから、ここに芸大が戻ってきて、また多くの表現者を育てる/勝手に育つ場所になることを期待しています。

私が南区でギャラリーを運営していたのも、この場所と人ならば結果を残せると思ったからですし、運営している「芸術計画 超京都」として市の活性化方針に協力してきたのもそれが理由ですが(松尾の超京都は、2018年度に「『文化芸術』と『若者』を基軸とした新たなまちづくり推進事業」を受託。17年度は「HAPS 東山アーティスツ・プレイスメント・サービス」、19年度はE9の母体である「アーツシード京都」が採択されている)、この見直し素案はあまりに急に感じています。

この地域は、そもそも芸術家を育て、支援するインキュベーター(孵卵器)の目線を持つ場所です。京都市には、その既存のテクニックを生かした未来づくりを目指してもらいたいと思っています。

いっぽう、この見直し素案の決定を引き延ばし、ゆっくり議論しようということについてはそのメリットとデメリットを検証すべきと思っています。ゆっくりしていたら地上げ屋がやって来てしまうかもしれません。

佐藤知久
佐藤知久

(佐藤)
京都市立芸術大学教員の佐藤知久です。私は芸大内の芸術資源研究センターで2017年から働いています。私は、創造的な行為を促す芸術資源(そこには地域の資源も含まれます)とは何であり、それをどうすれば残せるか、実践しながら研究しています。そのなかで崇仁の方たちや東九条マダンの方たちとも、話し合いを続けてきました。

正直に言って、今回の素案は突然上から網がかけられたように感じています。芸大がこのエリアにやってくることで起こる変化は大きいと思いますが、それは単純に金銭的な価値に還元できるものではないと考えます。その点において、商業地域に利するような今回の規制緩和案がベストだとは思えません。

早ければ来年には、この案に基づくまちづくりが始まるといいますが、それは拙速であると思います。私は京都大学近くの学生街に住んでいますが、何十年とかかって街の人との生活のなかで喫茶店や古本屋ができあがってきたのを肌で感じています。そういった草の根のまちづくりを、京都市はどのように考えているのでしょうか。

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