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3rdアルバム『さん』発売記念インタビューヒストリー・オブ・てあしくちびる 2014-2020インタビュー:てあしくちびる

2020 05 03

2014年9月 「夜のみずのき動物園」音楽担当
2016年11~12月 「水辺のみずのき動物園」音楽担当

――今回は主に『さん』収録曲の制作期間の2017年以降を振り返りますが、フェーズ3を語るうえで重要な出来事ですので、『夜のみずのき動物園』『水辺のみずのき動物園』の音楽制作についてのお話を振り返っておきたいと思います。まずこれらの音楽制作で、一筋縄ではいかなかった部分を教えていただけますか。

『夜のみずのき動物園』展示記録
『夜のみずのき動物園』 ※1 は映像作家の浦崎力による映像作品。みずのき美術館のコレクションから動物を描いた作品を選び、それらのイメージを用いて制作したアニメーションを、3面スクリーンの映像インスタレーションとして展示した。てあしくちびるにとっては他のアーティストの作品のために楽曲を制作する、ビジュアル・イメージから音楽を作るということ自体が初挑戦となった。こちらから楽曲をフル尺で聴くことができる。

(SDE)
自分はテーマが用意されて、それに沿って曲を作るというのが得意ではないので、すごく大変でした。どういうふうに作ればいいんだろうと…。だから『夜のみずのき動物園』はくっちー主導で進めました。

(くっちー)
いつもの曲作りだと、だいたいはbanri(SDE)君の中から曲が出てくるから、banri君が「これは違う」「そうじゃない」「こういう感じ」という判断をできるんです。でも『夜のみずのき動物園』の音楽は、まだ誰にも完成系が分からない状態で作っていったので、形になるまでかなり手こずりました。2人のイメージの共有がかなり難しくて、例えばその絵に対して私が感じていることとbanri君が感じていることが違うなど、何が正解なのか判断できない。それぞれが「この音はこの絵に合ってるんじゃないか」と思っても、互いに「そうじゃないんじゃないか」と思ってしまい、案を出したところで形にしていけない状況が続きました。

――『水辺のみずのき動物園』の方はいかがでしょうか。

(くっちー)
『水辺のみずのき動物園』も、イメージを共有して作り始めるという一歩を踏み出すところまでが難しかったです。どうしても2人で作ることができず、最終的に浦崎さんと3人でスタジオに入り、その場で演奏して浦崎さんに感想をもらいました。

『水辺のみずのき動物園』展示記録
『水辺のみずのき動物園』 ※2 はみずのき美術館 × 浦崎力による映像作品。『夜のみずのき動物園』と同じくみずのき美術館のコレクションから、動物を描いた作品を選び、それらのイメージを用いて制作したアニメーションを、3面スクリーンの映像インスタレーションとして展示した。こちらから楽曲をフル尺で聴くことができる。

(SDE)
浦崎さんからの意見も参考にしました。例えば一緒にスタジオに入った時、「キュイン」という効果音みたいな音を出したら、「あ、その感じ良いかもしれない」という感じです。

――これらの制作を通して、2人が成長したと感じることを教えていただけますか。

(くっちー)
『夜のみずのき動物園』のような歌がない曲を作ったことがなかったし、「(自分たちには)こういうこともできるんだ」と思いました。あとは2人以外の誰かと深く関わって一緒に何かを作ることで、広がりが出た気がします。

(SDE)
それまで何かを決断しなきゃいけない時に、他者のフィルターを通すという経験がなかったので、そこは大きかったですね。

ステージに立つてあしくちびる。
写真提供:秋葉原CLUB GOODMAN

※1 浦崎力『夜のみずのき動物園』 2014年9月5日(金)~30日(火) HAPS(京都) ALLNIGHT HAPS「暗闇から真昼を覗き見る」  協力:みずのき美術館

※2 みずのき美術館 × 浦崎力『水辺のみずのき動物園』 2016年11月26日(土)~12月25日(日) 京都府立陶板名画の庭 京都北山「光の庭」  主催:京都府

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