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3rdアルバム『さん』発売記念インタビューヒストリー・オブ・てあしくちびる 2014-2020インタビュー:てあしくちびる

2020 05 03

2018年4月 『パス』完成

――『パス』はどういったやり取りがあって生まれた曲でしょうか。

(SDE)
『できたての化石』と同じで、脱臼したような曲を作りたいと思い、まずイントロのちょっと間の抜けたフレーズを作りました。あとはすごいスカスカな曲にしたいと思い、くっちーと「できるだけバイオリンを弾かない曲にしよう」と話しました。セカンドアルバムの時は「骨組みみたいな曲」を意識していたんですけど、『さん』に関しては骨格ですらなく、「脱臼」してる感じを目指しました。これは『パス』を作っている頃に明確になった意識です。

『パス』
『さん』収録曲はほぼ2人で演奏しているが、『パス』のみドラムで衆議元市議夫(レディメイド・レベル)、 サックス・フルートでこまどり社が参加している。

――スタッカートで細かく刻むような表現はセカンドアルバムまでにもあったけれど、柔軟で伸び縮みするような表現はそれまでのてあしくちびるにはなかった。奏法などのいわゆるフィジカルな部分に柔軟性が反映されているということは、とても大きな成長だと感じます。

(くっちー)
他のてあしくちびるの曲と違い、この曲は最初に2人だけで合わせたときから、banri君からの「こういうふうにして」という細かい指示がなく、私が感覚的にマラカスを入れたりしました。その後、早い段階で「てあしくちびる3」でも演奏するようになりました。シギー(衆議元市議夫)が、打楽器やガリガリという音がする楽器など、楽器をたくさん調達してきてくれて、スタジオで色々試しました。そういう過程で出来上がった曲です。指摘していただいた伸び縮みみたいなのはクリック ※6 では表現できないし、みんなで一緒に演って出来上がる曲だから、この曲だけは「せーの」で録りました。

(SDE)
この曲以外はクリックを聴きながら、楽器や声をそれぞれ個別のトラックとして部分的に手直ししながら録音し、重ねていく録り方をしました。この曲だけはクリックなしで、それぞれの楽器の出音のみをモニターしながら「せーの」で全員で同時に演奏し、何テイクか録音した中で良いものを採用しました。部分的な手直しもしていません。ボーカルやコーラスは、その楽器隊のトラックをモニターしながら、後で録音しました。意図しているわけではないのですが、BPMが一定ではなかったので、ボーカル録りは少し苦労しました。

地元の雷電山(栃木県足利市)から望んだ関東平野にてインタビューを受ける、SDE(写真左)とくっちー(写真中央)。

※6 クリックとはメトロノーム音のこと。イヤーモニターにメトロノーム音を流することで、リズムキープがし易くなる。レコーディングにおいては一般的な手法。

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