29, Jan 2018

光の現代美@旧三井家下鴨別邸

会 場: 旧三井家下鴨別邸(重要文化財)
会 期: 2017年12月15日(金)〜12月25日(月) ※20日(水)休
1. 昼の部 午前9時〜午後5時
2. 夜の部 午後6時〜9時
主 催: 芸術計画 超京都
京都市文化財公開施設運営管理事業受託コンソーシアム(構成団体=公益社団法人京都市観光協会・賀茂御祖神社・株式会社曽根造園・三井不動産レジデンシャルサービス関西株式会社 *代表団体=公益社団法人京都市観光協会
共 催: 京都市
助 成: 一般財団法人ニッシャ印刷文化振興財団
後 援: 公益財団法人京都市芸術文化協会
出展作家:

<作品展示>昼の部
金氏徹平、川尻 潤、孫 遜(スン・シュン)、二見光宇馬
牧野和馬、三嶽伊紗、村山 明、吉岡更紗、山本晃久
娄 申義(ロウ・シュンイ)

<光の作品>夜の部
高橋匡太

企画・運営: 芸術計画 超京都
www.chokyoto.com
写真クレジット 撮影:牧野和馬
©芸術計画超京都

当財団の助成事業「光の現代美」。平成23年に重要文化財となった旧三井家下鴨別邸を会場に開催された。

随所に素晴らしい用の美が見られ、障子やガラス戸から自然光をふんだんに取り入れられた建物である。現代表現の展示場所として考えたとき、大正の暮らしを想い、特別な照明器具を持ち込まず、自然光のもとでの作品鑑賞を考えた。

企画・運営は、<芸術計画 超京都>。2010年にアートフェア超京都を開催。筆者も事務局の一員である。以降、京都ならではの日本建築を会場に、現代美術の普及に不可欠である<作品販売>を目標に開催してきた。初回より、当財団が作家育成の拠点である画廊やギャラリー活動への支援として継続的に助成。アートフェアとしての超京都は、2010・2011・2013・2015年と回を重ね、重要文化財や名勝をふくむ歴史的建造物と現代美術の取り合わせに好評を得た。が、この短期間に、美術や世の中の動向に変化を感じ、2016年にアートフェア形式の催しをいったん休止し、先進的な東京のギャラリーや京都で奮闘している芸術祭ディレクターや新劇場構想のメンバーを招いてシンポジウムを開催し、芸術的成功と文化行政の成功のズレを話題に、独立する民間プロジェクトの重要性について意見交換した。並行して、文化財の現代表現による活用を視野に、貴重な歴史的建造物の見学ツアー(非公開)を行った。それらの体験や情報をもとに企画したのが、このたびの「光の現代美」である。<観光>も意識し、芸術が、過去と同居する京都の現在を広く紹介できる、ツーリズムの重要な要素だということも提言したいと考えた。

本催しの副題は「陽のひかり、夜のあかり」。昼の自然光で鑑賞する時間帯には、「光」に関するさまざまな意味や様子を見せる作品展示、夜には一転して、下鴨の静かな環境と呼応するように、建物の内部から色彩豊かな人口の光が放たれた。閉じられた美術空間と異なり、日本建築では、冬の外気も行き来する。美術関係者のみならず、多くの観光客、地元の方々が、茶室や座敷をめぐり、原生林の残る庭を散策しながら、季節や環境、現代の表現をじゅうぶんに鑑賞してくださった。光の反射や透過、物事へのさまざまな照射(思考)、祈りとしての心のあかり、光をたたえたり集めたりする作品や仕掛け。また、夜の光の作品は、大正時代に始まったという<流行色>を基調に色彩がプログラミングされていた。技術や感性に優れた作品が、美術品のように寡黙に研ぎ澄まされた建物や庭と響き合って、新たな出来事を創出できたと感じる。大正時代という過去を内包した建物、その技術、地域の静けさが、本催しの重要な素材であったことも間違いない。

京都には、群衆に混じって名所をかけめぐるサイトシーイングより、その人ならではのテーマの旅=ツーリズムがふさわしい。芸術は、場所と場所、過去・現在・未来、人と人を生き生きとつなぐことができる。<芸術計画 超京都>では、今、現代表現の展覧会やイベントを入り口として、そこから、京都の深く豊かな日常や歴史をつないで見せていきたいと考えている。また、劇場が新設される南区では、街の隙間が少しずつアートタウンへと変容するよう、さまざまに働きかけたいと考えている。
(松尾 惠 MATSUO MEGUMI + VOICE GALLERY pfs/w)

超京都 会場風景

村山明(神代欅による卓、盆、額、飾り棚)
床の右端)山本晃久による、研磨した青銅の鋳造片。鋳造片はところどころに置かれ、光を反射させながら作品同士や展示箇所の間をつないだ)

超京都 会場風景

スン・シュン(新聞紙に筆ペン)
中国〜韓国〜日本への旅の途中に描いた作品。歴史と現在を映す。

超京都 会場風景

牧野和馬(写真の屏風)
トカラ列島の口之島の曇天の海。強い日光を照り返さない海面を撮り続ける。

超京都 会場風景

川尻潤(陶)
マットな面とプラチナ釉による反射の面。東からの自然光と終日ともにある。

超京都 会場風景

山本晃久(青銅鏡、魔境)

超京都 会場風景

ロウ・シュンイ(ミクストメディア、屏風絵)
アンティークの手鏡に現代の時刻が象徴的に表現されている。

超京都 会場風景

三嶽伊紗(ミクストメディア)
すりガラス窓の内・外に淡いピンクの樹脂と、廊下の各所に実験器具のような小さな鏡。1日の陽光が、淡い色に反射したり光の輪を作り出す。

超京都 会場風景

吉岡更紗(布)
自然素材+自然染料。薄絹が1日の光を透過しする。

超京都 会場風景

二見光宇馬(陶)
これまでに約8000体の小さな仏像を作り続ける。茶室において、祈りによって心に差し込む灯の表現。

超京都 会場風景
超京都 会場風景
超京都 会場風景

金氏徹平(彫刻)
既成のブロンズ像とプラスティックの玩具を組み合わせ、金箔でコーティング。仄暗い茶室での展示と裏庭の苔との対比。

超京都 会場風景

高橋匡太(ライトアップ)


光の現代美@旧三井家下鴨別邸

Category: Events





PAGE TOP