09, Aug 2010

フィギュアの系譜展 土偶から海洋堂まで

会 期: 2010年7月10日(土)~9月26日(日)
開館時間:午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
休館日:毎週水曜日
※ ただし、夏休み期間(7月14日~8月31日)は無休・午後8時まで延長(入館は午後7時30分まで)
会 場: 京都国際マンガミュージアム 2階 ギャラリー1・2・3
http://www.kyotomm.jp/guide/access.php
主 催: 京都国際マンガミュージアム

本展を観賞するまで、私はフィギュアとドールの違いも知らなかったのである。
本展では、まず、その違いが実に明瞭に説明され、その時点で俄然引き込まれた。ガイドブックには、フィギュアの愛好者は男性に多くドールの愛好者には女性が多いとした上で、<・・・女性は、人形(ドール)を生きている人間のように扱った上で、その人形(ドール)との「関係」を楽しみ、一方男性は、人形(フィギュア)を無機質なモノとみなした上で、それを「所有」し、眺めることを目的とする。(後略)>とある。他にも秀逸な解説が掲載されており、大変役に立つ。このガイドブックは必見だ。

展示会場の様子01

さて、私は自分がごく平凡なドール派であることがわかった。我が家と同じタミーちゃんや、懐かしいミルクのみ人形の展示を楽しんだ。その後、展示は、時代を下がってフィギュアへとつながる。そして、私は図らずも、フィギュアの魅力に到達してしまった。これまで名も知らなかったコーティカルテ・アパ・ラグランジェス(原型:BOME)を見た瞬間、身震いしてしまったのだ。


マニアからすれば、ゲームの内容やフィギュア制作のプロセスなどその出自も知らなくて魅力がわかるの?と思うだろうが、風になびく真っ赤な髪や衣の美しさは、荘厳な宗教空間で対峙する仏像と同じように心をとらえる。最近目にした造形物の中で、これほど手に入れたいと思ったものは無い。また、等身大であればあるほどフィギュアの存在感は増すし、いかに高度な技術で製作されているかがよくわかる。展示物に手を触れてはいけないが、思わず触れたくなる頬の輝き、髪の毛の美しさなのである。

展示会場の様子02

ガイドブックにも、昨今の仏像ブームはフィギュアブームと無縁ではないとある。二次元の仏画を三次元に掘り起こす日本人の想像力と技術が、現代にも生きているというわけである。加えて思うのは、村上隆のヒロポンが海外で大受けし、昨今、日本の若手アーティストの作品の内、やはり海外に受けるのはアニメやゲームのキャラクター(のような人物像)という事実だ。展覧会初日BOMEと村上隆氏の対談があったとのこと。このような話題に及んだのでは?と思う。海外での日本美術への高評価は、仏像とフィギュア(という彫刻)に限定されているといってもよいだろう。宗教的世界観とゲームやアニメーションの仮想現実界はまた、海外の人のみならず、日本のいまが求めている救いにもつながる気がする。100年後の美術史には、他の表現を押しのけてフィギュアが残るだろう。
(松尾 惠 VOICE GALLERY pfs/w)

フィギュアの系譜展--土偶から海洋堂まで

江口寿史「ドグちゃん」(「古代少女ドグちゃん」より)
©古代少女製作委員会

涼宮ハルヒ

「涼宮ハルヒ」(BOME・原型製作)
「涼宮ハルヒの憂鬱」
©2006 谷川流・いとうのいぢ/SOS団

阿修羅像

「阿修羅像」(木下隆志・原型製作)
©KAIYODO

遮光器土偶

遮光器土偶(青森県亀ヶ岡遺跡出土/辰馬考古資料館蔵)


フィギュアの系譜展 土偶から海洋堂まで

Category: Events





PAGE TOP